【freee設立5周年】マンションの居間から始まった急成長の軌跡を振り返る

7月9日で設立5周年を迎えた freee。毎年恒例の全社オフサイト(合宿)にて、お祝いをしつつ、新年度と次の5年に向けて結束を深めてきた。オフサイトはまたさらにこれまでとは違う景色の見える規模で、急成長しつつもミッションに向けて進む組織の力を改めて実感する2日であった。

DSC_5472.jpg

よい機会でもあるので、ここでこれまでの5年間を一度まとめてみたい。

スタートラインに立てた1年目

スモールビジネスのプラットフォームをつくる、これは当初から変わっていないfreeeのビジョンだった。そのためには、まずスモールビジネス向けの会計ソフトの市場で大きなプレーヤーになれなければ意味がない。

僕が住んでいたマンションの居間でほそぼそと2人で開発を始めた freee であったが、とにかくビジネスをつくるためにやっていたのではなく、大きく世の中を変えることを目指していた。

このように考えたとき、freeeの1年目は、そのビジョンの実現に向け少なくともスタートラインに立てたと思える1年だったと思う。

マンションのリビングを離れてオフィスも借り、プロダクトも無事リリースして、強いニーズが検証された。B2B向けのソフトウエアというジャンルであってもリリース当日からSNS上で大きく話題となることができたのは日本のスタートアップシーンにおいても一つの潮目だったのではないかと思う。

有料化こそまだ始まっていない状況であったが、当時としてはまとまった金額の資金調達も実行でき、現在ではコアメンバーとなるようなメンバーが集まり、とにかく着実にスタートラインに立てたのが1年目だった。

IMG_0407最終.jpg

ビジネスとカルチャーの原型ができた2年目

2013年8月には、いよいよ有料化を実施。freeeの提供価値をビジネスとして世の中に届けることがいよいよスタートすることができた。30年以上変化のなかった日本の会計ソフト業界において経理自動化という全く新しいコンセプトを抱える SaaS モデルのプロダクトが誕生し急成長を始めることとなった。そしてまた、この時点でAPI公開を実施し、中小企業向けのシステムの新しい水準をセットした。さらに、クラウドならではの強みを活かした「給与計算 freee」もリリースされ、まさにビジネスとしての原型ができた年といえる。

一方、freee のカルチャーの原型のようなものも、この2年目に少しずつ誕生した。30人程度の組織に近づくにつれ、組織としての価値観を皆で議論し、しっかりと共有し、それぞれが意思決定できる体制となっていくことが求められたのだ。ちょうど2周年のオフサイトでは、初期バージョンの価値基準を初めて皆で議論しブラッシュアップした。

PA015229.JPG

起業家から経営者に変わらなければならない3年目

全従業員で100名を超える体制となった3年目。さらに、開発、マーケティング、カスタマーサポート組織を拡充するに加え、営業組織が誕生。さらに速いスピードで組織が成長するようになった。

全員でオーナーシップを持ちつつも、役割や責任について少しずつ明確化していったり、経営体制なども明確化していった。freee における人事制度の最初のバージョンをドラフトしたのも3年目であった。

組織運営というのは、プロダクトをつくることや事業をつくることとの両輪でビジネスを回していくものである。ただし、組織が十分に小さいうちは、さほど意識しなくても事業が成長していればなんとかなるものだ。

しかし、この3年目には、組織が多様性を増し、大きくもなり、組織運営と向き合うことを特に取り組んだ1年だったと思う。いわば、起業家から経営者に自分が変化していくような年だった。

DSC_1738 (1).JPG

プラットフォーム化が現実となりはじめた4年目

freeeはこれまで、エンドユーザー向けに価値提供を行い、自分たちの型をしっかりとつくることにフォーカスしてきたが、本格的にスモールビジネスのプラットフォームとしてのダイレクトなステップも歩み始めたのが4年目であった。

ほぼすべての金融機関とはデータ連携を実現していたのに加え、より踏み込んだかたちで、さまざまなかたちで金融機関との提携を開始し、金融サービス利用も freee のインターフェースやデータを活用できる環境を提供はじめたことは、大きな第一歩であった。

そしてまた、会計事務所においての活用がはじまり、会計事務所を支援するチームの急拡大もはじまった。

さらに、小規模法人や個人事業主に限らず、より大きなビジネスにおいてもfreeeを活用いただけるための改修や機能追加が大きく進捗したことに加え、freeeのユーザー同士をネットワークで繋げ、お互いの取引を圧倒的に簡単にすることを実現しはじめた年でもあった。

このような新たなビジネスラインの追加で、ビジネスの拡がりは一気に進んだ一方、何年かの事業運営の成果として様々な係数管理ノウハウも進んできたことにより、事業のコアな部分においてはROI分析に基づいた投資基準のセットも少しずつ可能になり、成長をコントロールできる部分もできてきた。これによりさらに事業へのアクセルが踏みやすくなった。

そんな背景の中、本格的に新卒採用も開始し、13名の新卒も入社。さらに freee のカルチャーが強化される契機となった。

DSC_7611.JPG

各事業がビジョンを持つ5年目

5年目は本当に自分にとっての経営の概念が変わった年であった。

事業として、会計事務所における活用が一気に急拡大し、会計事務所支援を行うチームが特に大きなチームに拡大するとともに、「申告 freee」をリリースし、法人税申告や年末調整を freee のデータからシームレスに電子申告できるような機能の提供がはじまった。

一方、エンタープライズプランのリリースなどの新規開発を通じて、成長企業における活用もどんどん実績ができ、「クラウドERP」という新たなコンセプトが広まっていった。

さらに、コアとなる中小企業向けの会計ソフトにおいては、創業1年目の会社ではクラウド利用がパッケージを超えるという大きなマイルストーンを迎えることができた。

人事労務の業務をワンストップ化する「給与計算 freee」のコンセプトが非常に好評であり、さまざまな可能性が見えてくる中、ひとつの事業の柱として大きく投資し、「人事労務freee」としてさらなる進化を遂げることも決めた。

ただし、このような事業の成長よりもより重要なことは、freee における経営の質が変わってきたことではないかと考えている。各事業やチームがより長い視点に立ったビジョンを持ち、自律的に事業や開発の推進を行うようになっている。あたかも共通のミッションを追うスタートアップ連合体のように組織を運営することができ、freee 全体が新たにアウトプットできることは組織拡大のスピード以上に伸びることとなった。

こんな中で、自分の役割はより抽象度を増し、freee全体として矛盾のない進化と価値提供を担保すること、そして視野広く非連続的な成長を考えることとても重要で、またそのために色々な方向からものごとを見てみたり情報をインプットしたりすることの重要性を実感した年だったと思う。

DSC_5467.jpg

IMG_7422.JPG

6年目、そして次の5年

freeeの6年目はさらに新たな次元でスピード感を持って価値を届ける1年になるだろう。

結果として、会計・人事労務という非常に保守的であった分野が、エンドユーザーだけでなく、それを助ける会計事務所・金融機関も含めて大きく効率化され、スモールビジネスの経営者がよい意思決定にフォーカスできる世の中に向かって急速に進化する。

これからの1年は、こういった変化を正当化するエキサイティングな1年である。

Google も YouTube も NetFlix も自ら何かを欲して検索しなくても、情報を薦めてくれるようになった。スマートフォンがタッチスクリーンという新たなインターフェースにより、機械をより直感的にした。そして次に、スマートスピーカーといわれる Amazon Alexaや Google Assistant は、本格的に自然言語での会話によるインターフェースを実現しつつある。

この Amazon Alexa や Google Assistant が国内発売し、国内勢でも LINE や Softbank がスマートスピーカーを発売するそんな年なのだ。

つまり、テクノロジーが一部の人のものではなく、人を選ばない時代が本当に来ているのだ。

これは、暗黙的に受け止められてきた、あるいは諦められてきた世の中のルールや前提が本当に変わってくるということを意味する。

そして、スモールビジネスを経営するためのテクノロジーも当然人を選ぶものであってはならない。

こんなトレンドのもとで、スモールビジネスが、創造的な活動にフォーカスし、より強くてかっこよく活躍できる、そんな環境に急速に近づく1年としていきたい。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中