新ミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」

今月で6周年、時間の創出を実現してきたfreee

今月、2018年7月にfreeeは会社の設立から6周年を迎える。6年前は製品の構想だけ存在して、プログラミングの勉強をしながらfreee開発に着手したものであったが、そこから6年、無事に会計freee のリリースを皮切りに、「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできるよう」というミッションのもと会計、人事労務、会社設立、申告などさまざまなバックオフィス業務を全体として自動化するソリューションを展開してきた。

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2018年7月2日に開催した「FY2019事業戦略発表会」

その成果として、100万以上の事業所で利用いただけるようになり、3,600を超える金融機関や他の業務アプリケーションとのデータ連携を実現し、5,000を超える会計事務所さんともパートナーシップを組ませていただき、クラウドの会計ソフト市場においてトップシェアを獲得する存在となることができた。

この間、やはりバックオフィスの仕事をラクにするという点についてはいろいろなところで実現することができてきたし、ミッションに対しては少しずつ近づいていく軌道は描けたのかなと考えている。実際に、バックオフィスの業務量はfreeeを利用して、数分の1から20分の1になったという声は多くいただくようになった。

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バックオフィス業務が20分の1になり、かつfreeeはビジネスの成長にも貢献するようになった

最近は、これに加えて、さらに大きなインパクトを産むことができてきたと実感している。freeeを利用して毎月レポートを見ているユーザーの74%は増収を実現しており、freeeのレポートを閲覧して経営をする会社の成長率が非常に高いということもわかってきているのだ。

例えば、六本木や目黒の蔦屋の植栽なども担当され、花卉業界で新たなチャレンジをする株式会社BOTANICさんでは、freeeを活用することでバックオフィス業務を1/20に圧縮すると同時に、freeeを利用して季節性やビジネスモデルの異なる4つの事業部門をコストをかけずに管理したり、様々なレポートを必要なときに見て分析したり、スマホやタブレットから現場であっても重要な仕事は確認するなど活用いただき、結果ビジネスは増収増益を続け、実際にビジネスが伸びるという点に貢献している実感を持っていただいている。

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3期連続増収の株式会社BOTANIC 代表 田中彰様(freeeユーザー)

つまり、freeeは、「創造的な活動にフォーカス」というミッションを掲げ、時間を創出することに取り組んで来たわけであるが、結果としてすでに事業自体に力を与えることまでできていることがわかってきた。さらにその先にどんなサービスを展開していきたいのかも考えてみると、創業6周年を迎えるこのタイミングでミッションをさらに先に進めてよいのではないかと考えた。

新ミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」

ということで、この度、freeeはこれまでのミッションをさらに進化させ、「スモールビジネスを、世界の主役に。」という新しいミッションをセットします。

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そして、このミッションの実現に向け、「アイデアやパッションやスキルがあればだれでも、ビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォーム」を実現します。

世界というと、よく、「海外に出るの?」と言われるのだが、将来的にはやっていくつもりはあるものの、まずは「世界=世の中」という意味と考えていただきたい。スモールビジネスを世の中の主役にしようという思いでこのミッションをセットした。

 日本の99%のビジネスは中小企業であるわけだが、労働生産性では中小企業は大企業の半分以下の生産性にとどまり、テクノロジーの浸透もすすんでいない。マクロ的に見たときに、働く場所として人気というわけでもないし、日本の起業の数は他国と比べても圧倒的に低いし、起業家が社会的にも評価されない国であるとも言われている。

 こういう状況というのを変えて、スモールビジネスこそ、強くて、かっこよくて、スマートな存在で、この人たちの方が、ほんとに強くて、何か怖い存在だと思われるような世の中をつくっていきたい。

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FY2019事業戦略発表会で新ミッションを発表

 スモールビジネスが世の中の主役となり、大きく繁栄することには社会全体として、大きな意味がある。一つは、イノベーションが加速すること。小さなビジネスであればこそ起こせる、大企業には見えないイノベーションは非常に多く存在する。Googleの検索以外の事業の多くはM&Aが種となっているし、テクノロジー業界以外でも奇抜なアイデアはスモールビジネスからこそ生まれやすい。2つ目に、スモールビジネスを経営することは究極の自己表現である。これを選択肢にもてることは、精神的にもすばらしいことだし、個が強い社会の象徴だ。そして3つ目に、スモールビジネスは働く環境としても、より多様な価値観にであえたり、非連続的な成長がある場所である。つまり、スモールビジネスが強くなることは世の中をオモシロクする。

 よく、「スモールビジネスのほうが強くなるって、ほんとにできるんですか?」って聞かれるけれど、実はスモールビジネスは新しいテクノロジーをすばやく採用できる。経営者が決めればよいだけだ。また、スモールビジネスの数は多いからこそ活用できるAIやデータの価値もあるだろう。つまり、しっかりとテクノロジーをスモールビジネスに届けることができれば、この大革命は実現できる。非常にやりがいのあるミッションだと考えている。

だれでも、ビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォーム

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「スモールビジネスを、世界の主役に。」このミッションに向けて、freeeがまず実現しようとするのは、「アイデアやパッションやスキルがあればだれでも、ビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォーム」である。スモールビジネスが、freeeのプラットフォームにのっていただければ、簡単にビジネスができるだけでなく、ビジネスが強くなり、よりスマートに経営したり、運営したり、意思決定できるようになる、そんなプラットフォームをつくっていく。

これは、今まで通りビジネスを簡単に業務効率化できるようにするところはもちろんのこと、ビジネスの状態の可視化を簡単に進められることがまず第一だ。そのために freee はこの7月に「あらゆるビジネスで経営企画」をコンセプトとした「プロフェッショナルプラン」をリリースし、事業計画の策定や予実の分析を簡単に行える機能の提供を開始した。今後、エクセルから freee のデータを簡単に呼び出せる機能なども実現予定で、企画、分析の機能は今後ますます充実していく予定だ。

また、あわせて会計事務所向け機能として「AI月次監査」機能もリリース。こちらでは、月次の帳簿の確認の業務をAIが代行していくことて、会計事務所におけるルーティーン業務を自動化し、よりコンサルティング・アドバイザリー的業務にフォーカスできることを支援する機能だ。このように会計事務所のルーティン業務の自動化が進めば、スモールビジネスに提供されるサービスの付加価値も大きく向上し、「スモールビジネスを、世界の主役に。」というfreeeが目指す姿にも近づいていくことは間違いない。

では、「だれでもビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォーム」を目指して、その先に何に取り組んでいくのか。テーマはいくつかある。ひとつは、スモールビジネスを資金繰り面から支援する。資金の制約はスモールビジネスが成長する、強くなる上での制約の一つだ。そして、ビジネス間の取引自体を簡単にするプラットフォーム自体を構築する。そして、バックオフィスに限らない業務領域の自動化なども考えていきたいと思っている。

「創造的な活動にフォーカス」から「スモールビジネスを、世界の主役に。」新しいミッションを掲げ、次のフェーズに進むfreeeに引き続きご期待ください。

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初の著書を出版しました。時間の使い方とか計画について僕が気をつけていることをまとめてみました。新しい目標を探したい人、目標達成を目指す人におすすめです。

3ヶ月の使い方で人生は変わる

2017年の振り返りと「自動化」「可視化」にこだわる2018年

2017年もあとわずか。freeeは今年も全速力で駆け抜けました。支えて頂いた多数の皆様にも厚く御礼申し上げます。一年の振り返りと来年の展望をこちらにてご紹介します。

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2017年freee全社恒例忘年会

申告freeeをリリースし、認定アドバイザーも5,000を突破、freeeが会計事務所と顧問先を結びつけるインフラに

5000までの推移

会計事務所の圧倒的な効率化とよりよいサービス提供の支援を行うことからも、ミッションである「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできること」に貢献しようというテーマは、freee の歴史の中では比較的新しいテーマであるが、今年は特に大きく組織も拡大し、投資も行ってきた。会計、経理のプロの方々から頂いていた改善要望については、大部分を解消することができ、年末の時期には本当に多数の会計事務所の皆様から、「今年は freee は本当に変わった。会計のプロにも使いこなせる」という声をたくさんいただくことができたのは本当に嬉しいことであった。

その中で、法人税申告や電子申告対応した「クラウド申告 freee」のリリースは、会計事務所業務を徹底効率化する上での大きな目玉となった。法人税申告への対応は決して軽い開発ではなく、ここに投資をし、かたちにしたことは freee のこのビジネスに対するコミットメントとして評価いただくことができた。さらに、会計ソフトと申告ソフトの完全連動や、クラウドならではの共同作業のしやすさを評価いただき、「クラウド申告 freee」としてグッドデザイン賞も受賞いただいた。

結果として、freee の認定アドバイザーとなっていただいた会計事務所の数は 5,000 を突破し、多くの会計事務所にて freee に対応いただいたり、全面導入いただける年となった。このことは、freee をお使いいただいている、あるいは検討いただいている企業の皆様においても大きな朗報となった。

freeeの達人アドバイザー忘年会

freeeを達人級にお使いいただく会計事務所さんとの忘年会

freee が上場企業に対応。成長企業の内部統制も人事労務もすべてクラウド化。

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「freee を使っていても、結局上場準備とかするようになると乗り換えなきゃいけないのですよね?」「freee って会社が大きくなったら、どれくらいで卒業することになるのですか?」こんなことを昔よく聞かれた。しかし、共同作業や分散入力をしやすいクラウドサービスであればこそ、大人数での利用でも向いているということもあり、成長企業においても利用できるものとしていきたいという思いをずっと持っていた。

また、freee の着想は僕がスタートアップのCFOをやっていたころに目の当たりにした経理の業務プロセスから得ているが、これまで経理のプロセスにおける入力の重複を徹底的に解消してきていた。その中で、重複作業の最後のピースとなっているのが稟議書であった。つまり、内部統制を聞かせている会社であれば、何かの発注にたいする請求書が到着する前に請求情報を持った稟議が社内で承認されているはずで、請求情報を入力するのではなく、稟議から自動転記すればよいのだ。加えて、当時、内部統制対応のため、会計帳簿をプリントアウトしてハンコを押して承認するという10年前でも信じられないと思ったプロセスがあった。こういったものも、本来クラウドで承認されるべきである。

このような想いを背景に、今年は稟議などを作成できるワークフロー機能を備え、内部統制にも対応した会計 freee のエンタープライズプランをリリース。開発においては、今年7月に freee を利用し IPO を成功させたソウルドアウト社に協力いただき、内部統制対応や成長企業での利用における論点つぶしにともに取り組んだ結果として実現することができた。

さらに、成長企業に対するサービス提供においては、利用されている他のソフトウエアとの連携が不可欠である。リリース後の初期段階からAPIを公開するfreeeでは、ますます連携アプリケーションも増加し、グローバルプレーヤーである salesforce.com や slack などのツールとの連携も開始し、API連携も大きく進捗した。

また、これまで、給与計算や労務手続きの自動化を目指して「給与計算freee」として展開していた製品を「人事労務 freee」としてコンセプトを拡大させて、大きな進化に取り組み始めた。給与計算だけを管理するのではなく、一元化された従業員名簿から、勤怠管理、給与計算、労務手続、社内承認フローなどを一括で管理していこうということを目指すのが「人事労務 freee」だ。小規模の会社から、従業員1,000名規模の会社まで含めて、人事管理負担を大きく減らす実績をどんどんつくることができている。

第2回HRテクノロジー大賞受賞

人事労務freeeは、第2回HRテクノロジー大賞を受賞した

このように、急成長企業を支えるソリューションとして、freeeは大きく進化した1年となった。その結果、上場準備企業や急成長企業の定番選択肢となってきたことは大きな達成であった。

本格的に個が活躍する時代、freee はスモールビジネス経営の電子化を枠を超えて牽引

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スモールビジネスにおけるバックオフィスの自動化をコアとする freee であるが、自動化の前提となる電子化の部分で、ボトルネックとなる部分として残っているものももちろん存在する。

スモールビジネスにおけるクレジットカード利用は、このボトルネックの中で非常に重要なものである。ビジネスにおいて、支払をクレジットカードに寄せていくことは、支払時の利便性だけでなく、経理全体のプロセスを効率化したり、正確性を担保する上で大きなメリットがある。さらに、freeeのような会計ソフトを利用すれば、会計帳簿への記録なども含めて自動化することができるのだ。

しかしながら、これまで残念ながらスモールビジネスにおけるクレジットカードの利用率は必ずしも高くなかった。その大きな理由は、「審査におちる」「審査におちるのではないか不安」「3年分も決算書がない」といった理由である。実は、僕自身も創業当初にクレジットカードの審査に落ちた経験があるのだが、起業するとクレジットカードつくれない説は都市伝説のように存在する。また、法人の信用でクレジットカードをつくるには通常3年分の決算書が必要だ。

そこで今年は、創業直後の方に対してもフレンドリーにつくることができるクレジットカード「freee カード」をライフカード社との提携によりスタートさせ、カード利用が進まない問題の根本から解決に取り組むことに乗り出した。

また、個人事業主の確定申告のプロセス自体にもボトルネックは存在するが、今年はマイナンバーカードや住基カードにより、 freee から直接電子申告ができる機能を提供開始し、非常に好評を得た。今年度分の確定申告においては、WindowsからもMacからでも電子申告がfreeeからできるよう機能拡充されていく。

シェアリングエコノミー、民泊、副業、働き方改革など、個人が雇用されている会社に100%依存するのではなく、自分の事業も持つ新しい生き方が注目された一年であった。こういった、「個」が自立して生きやすい新しい時代を支えるプラットフォームとして、freeeは徹底的にスモールビジネス支援を続けていく。

freee で振込も融資も自動化へ

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今年大きな話題を呼んだのは、銀行法の改正により銀行による参照系・更新系のAPIの開放が実質義務化されたことである。日本における新しい FinTech サービスの創出もこれを契機に活性化していくだろう。また、この法の施行に先立ち、freee では、三菱東京UFJ銀行、住信SBIネット銀行、ジャパンネット銀行などとのAPI連携により、freeeに登録されている未払金を自動で振り込むことができる振込連携を実現した。

このように、外部システムから振込指示をかけるような仕組みは、大規模な投資によりファームバンキングシステムを導入しなければ従来は不可能であった仕組みだが、この freee の振込機能の提供により、自動振込がどんな規模のビジネスであっても可能になる。まさにこのAPI開放により、テクノロジーの民主化が実現された好例だ。

融資の分野でも大きなイノベーションが起きた。今年、freee は、金融機関のモニタリングを自動化する「リアルタイム経営シグナル」を提供開始した。これは、銀行が融資先企業の試算表を紙ベースで毎月回収し財務状況をモニタリングするという手間が発生していたところに、融資先企業がfreeeを利用している場合には試算表回収しなくとも自動で財務情報が金融機関とリアルタイムに連携され、しかも、財務状況に変化が生じたときのみ自動でアラートを飛ばすことで、モニタリング業務自体を自動化するという仕組みである。これにより、融資のモニタリングのコストが低下すると、融資サービス自体のクオリティもあがる。例えば、北國銀行では無担保・無保証の創業融資の場合には、freeeの利用が条件となっており、freee を利用していれば、創業融資を受けるハードルが大きく下がっているのだ。

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引き続き組織も成長

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freeeの組織も引き続き成長を続け、今では400人を超えるような体制となった。そんな中でも、相変わらず全社合宿では、価値基準について全員で議論し、急成長の中でもムーブメント型組織である自分たちの本質を忘れず、カルチャーを支えることができた一年であったと思う。働きがいのある会社ランキングにおいても、今年は3位を受賞させていただいた。

僕自身にも小さい子供ができ、また小さな子供がいる同年代の社員も多いことから、自然発生的にファミリーデー的イベントも立ち上がったり、子育て支援的な施策も「ツバメっ子クラブ」としてまとまった一年であった。

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freeeオフィスでファミリーデー

2018年とその先

先日、freee Developers blog に、今重要だと思っていることを書いたが、今一度しっかりと freee の提供価値とその価値の発揮にこだわることが非常に重要だと考えている。「マジ価値」精神は freee の価値基準のエッセンスであるが、来年は初心に戻って、自分たちが本当に「マジ価値」かどうか徹底的に向き合い、マジ価値を発揮する一年としたい。

具体的には、これまでバックオフィス業務の自動化にこだわってきた freee の価値を、「業務の自動化」だけではなく、「経営の可視化」にもスコープを広げ、「自動化」「可視化」の両方の観点から、freee の提供価値の最大化に全社でこだわって取り組んでいこうと考えている。

2018年3月には製品としての freee は5周年を迎える。クラウド会計ソフト freee が世に誕生してから5周年だ。その間、会計ソフトのクラウド化は急速に進み、若い会社で言えば当たり前という時代になった。しかし、まだ世の中全体でみた場合にはマジョリティではない。マジョリティになっていくの時間の問題ではあるが、急速に進めるには、クラウドであるかどうかは関係なく、「自動化」「可視化」という価値の発揮がどれだけできているかにかかっていると思う。その上でこそ、その上にのる各種金融サービスはさらに活きてくる。

究極的には、どんな人にとっても会計ソフトや人事労務ソフトは「見るだけ」の存在になるだろう。「見るだけ」の存在になることで100%攻めのツールになることができる。

2018年も何卒、freeeをよろしくお願い申し上げます。

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【freee設立5周年】マンションの居間から始まった急成長の軌跡を振り返る

7月9日で設立5周年を迎えた freee。毎年恒例の全社オフサイト(合宿)にて、お祝いをしつつ、新年度と次の5年に向けて結束を深めてきた。オフサイトはまたさらにこれまでとは違う景色の見える規模で、急成長しつつもミッションに向けて進む組織の力を改めて実感する2日であった。

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よい機会でもあるので、ここでこれまでの5年間を一度まとめてみたい。

スタートラインに立てた1年目

スモールビジネスのプラットフォームをつくる、これは当初から変わっていないfreeeのビジョンだった。そのためには、まずスモールビジネス向けの会計ソフトの市場で大きなプレーヤーになれなければ意味がない。

僕が住んでいたマンションの居間でほそぼそと2人で開発を始めた freee であったが、とにかくビジネスをつくるためにやっていたのではなく、大きく世の中を変えることを目指していた。

このように考えたとき、freeeの1年目は、そのビジョンの実現に向け少なくともスタートラインに立てたと思える1年だったと思う。

マンションのリビングを離れてオフィスも借り、プロダクトも無事リリースして、強いニーズが検証された。B2B向けのソフトウエアというジャンルであってもリリース当日からSNS上で大きく話題となることができたのは日本のスタートアップシーンにおいても一つの潮目だったのではないかと思う。

有料化こそまだ始まっていない状況であったが、当時としてはまとまった金額の資金調達も実行でき、現在ではコアメンバーとなるようなメンバーが集まり、とにかく着実にスタートラインに立てたのが1年目だった。

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ビジネスとカルチャーの原型ができた2年目

2013年8月には、いよいよ有料化を実施。freeeの提供価値をビジネスとして世の中に届けることがいよいよスタートすることができた。30年以上変化のなかった日本の会計ソフト業界において経理自動化という全く新しいコンセプトを抱える SaaS モデルのプロダクトが誕生し急成長を始めることとなった。そしてまた、この時点でAPI公開を実施し、中小企業向けのシステムの新しい水準をセットした。さらに、クラウドならではの強みを活かした「給与計算 freee」もリリースされ、まさにビジネスとしての原型ができた年といえる。

一方、freee のカルチャーの原型のようなものも、この2年目に少しずつ誕生した。30人程度の組織に近づくにつれ、組織としての価値観を皆で議論し、しっかりと共有し、それぞれが意思決定できる体制となっていくことが求められたのだ。ちょうど2周年のオフサイトでは、初期バージョンの価値基準を初めて皆で議論しブラッシュアップした。

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起業家から経営者に変わらなければならない3年目

全従業員で100名を超える体制となった3年目。さらに、開発、マーケティング、カスタマーサポート組織を拡充するに加え、営業組織が誕生。さらに速いスピードで組織が成長するようになった。

全員でオーナーシップを持ちつつも、役割や責任について少しずつ明確化していったり、経営体制なども明確化していった。freee における人事制度の最初のバージョンをドラフトしたのも3年目であった。

組織運営というのは、プロダクトをつくることや事業をつくることとの両輪でビジネスを回していくものである。ただし、組織が十分に小さいうちは、さほど意識しなくても事業が成長していればなんとかなるものだ。

しかし、この3年目には、組織が多様性を増し、大きくもなり、組織運営と向き合うことを特に取り組んだ1年だったと思う。いわば、起業家から経営者に自分が変化していくような年だった。

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プラットフォーム化が現実となりはじめた4年目

freeeはこれまで、エンドユーザー向けに価値提供を行い、自分たちの型をしっかりとつくることにフォーカスしてきたが、本格的にスモールビジネスのプラットフォームとしてのダイレクトなステップも歩み始めたのが4年目であった。

ほぼすべての金融機関とはデータ連携を実現していたのに加え、より踏み込んだかたちで、さまざまなかたちで金融機関との提携を開始し、金融サービス利用も freee のインターフェースやデータを活用できる環境を提供はじめたことは、大きな第一歩であった。

そしてまた、会計事務所においての活用がはじまり、会計事務所を支援するチームの急拡大もはじまった。

さらに、小規模法人や個人事業主に限らず、より大きなビジネスにおいてもfreeeを活用いただけるための改修や機能追加が大きく進捗したことに加え、freeeのユーザー同士をネットワークで繋げ、お互いの取引を圧倒的に簡単にすることを実現しはじめた年でもあった。

このような新たなビジネスラインの追加で、ビジネスの拡がりは一気に進んだ一方、何年かの事業運営の成果として様々な係数管理ノウハウも進んできたことにより、事業のコアな部分においてはROI分析に基づいた投資基準のセットも少しずつ可能になり、成長をコントロールできる部分もできてきた。これによりさらに事業へのアクセルが踏みやすくなった。

そんな背景の中、本格的に新卒採用も開始し、13名の新卒も入社。さらに freee のカルチャーが強化される契機となった。

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各事業がビジョンを持つ5年目

5年目は本当に自分にとっての経営の概念が変わった年であった。

事業として、会計事務所における活用が一気に急拡大し、会計事務所支援を行うチームが特に大きなチームに拡大するとともに、「申告 freee」をリリースし、法人税申告や年末調整を freee のデータからシームレスに電子申告できるような機能の提供がはじまった。

一方、エンタープライズプランのリリースなどの新規開発を通じて、成長企業における活用もどんどん実績ができ、「クラウドERP」という新たなコンセプトが広まっていった。

さらに、コアとなる中小企業向けの会計ソフトにおいては、創業1年目の会社ではクラウド利用がパッケージを超えるという大きなマイルストーンを迎えることができた。

人事労務の業務をワンストップ化する「給与計算 freee」のコンセプトが非常に好評であり、さまざまな可能性が見えてくる中、ひとつの事業の柱として大きく投資し、「人事労務freee」としてさらなる進化を遂げることも決めた。

ただし、このような事業の成長よりもより重要なことは、freee における経営の質が変わってきたことではないかと考えている。各事業やチームがより長い視点に立ったビジョンを持ち、自律的に事業や開発の推進を行うようになっている。あたかも共通のミッションを追うスタートアップ連合体のように組織を運営することができ、freee 全体が新たにアウトプットできることは組織拡大のスピード以上に伸びることとなった。

こんな中で、自分の役割はより抽象度を増し、freee全体として矛盾のない進化と価値提供を担保すること、そして視野広く非連続的な成長を考えることとても重要で、またそのために色々な方向からものごとを見てみたり情報をインプットしたりすることの重要性を実感した年だったと思う。

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6年目、そして次の5年

freeeの6年目はさらに新たな次元でスピード感を持って価値を届ける1年になるだろう。

結果として、会計・人事労務という非常に保守的であった分野が、エンドユーザーだけでなく、それを助ける会計事務所・金融機関も含めて大きく効率化され、スモールビジネスの経営者がよい意思決定にフォーカスできる世の中に向かって急速に進化する。

これからの1年は、こういった変化を正当化するエキサイティングな1年である。

Google も YouTube も NetFlix も自ら何かを欲して検索しなくても、情報を薦めてくれるようになった。スマートフォンがタッチスクリーンという新たなインターフェースにより、機械をより直感的にした。そして次に、スマートスピーカーといわれる Amazon Alexaや Google Assistant は、本格的に自然言語での会話によるインターフェースを実現しつつある。

この Amazon Alexa や Google Assistant が国内発売し、国内勢でも LINE や Softbank がスマートスピーカーを発売するそんな年なのだ。

つまり、テクノロジーが一部の人のものではなく、人を選ばない時代が本当に来ているのだ。

これは、暗黙的に受け止められてきた、あるいは諦められてきた世の中のルールや前提が本当に変わってくるということを意味する。

そして、スモールビジネスを経営するためのテクノロジーも当然人を選ぶものであってはならない。

こんなトレンドのもとで、スモールビジネスが、創造的な活動にフォーカスし、より強くてかっこよく活躍できる、そんな環境に急速に近づく1年としていきたい。

freeeの2016年10大ニュース。そして2017年はビッグバン。

2013年にリリースして以来 4 年目となるfreeeにとって、2016年は徹底的にその提供するコア価値においても事業においても幅が拡がった一年であった。引き続きクラウド会計ソフト、クラウド給与計算ソフトにおいてシェアトップを走り、新しい市場の牽引に励む一方で思えばこれまで1点突破にのみ集中してきた freee が次のステージに進み、とてもダイナミックな1年であったなと思う。

もちろん、これを可能にしたのはいうまでもなく、「スモールビジネスに携わるみんなが創造的な活動にフォーカスできるよう」というミッションのもと、小さいビジネスこそかっこよく仕事できる世の中をつくっていくムーブメントに集う優秀なメンバーである。freee は組織的にも300人に近くになり、ビジネス領域拡大に向け様々な試みをどんどん行えるようになった。毎月のように新しいプロジェクトや新しいチームが立ち上がり、様々な試みから大きな学びを得た1年であった。

[スモールビジネスを最先端でかっこいい存在にすれば日本は変わる]

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2016忘年会での記念撮影

そんな1年の10大ニュースをここにまとめてみる。

クラウドERPコンセプト始動。数百名規模でも使えるサービスに。

freeeは小規模法人や個人事業主において高い評価を得て世の中に広がったサービスだ。もちろん、そのセグメントにおいて引き続き圧倒的な強さを持ち、進化を続けているのだが、気づけは数百人規模の法人でも使われるケースがどんどん増えていることがわかってきていた。さらに、元来、ビジネスのお金の流れに合わせたユーザーインターフェースを打ち出し、これまの会計ソフトのあり方にとらわれず、経理の経験がなくても使えるfreeeでは、数百名規模の会社であっても、人事労務を司る給与計算freeeとあわせて従業員全員で使っていくことで、これまでの経理業務・労務管理業務を圧倒的に効率化できるという特徴があった。そのため、中堅規模の会社での利用においてのボトルネックを解消する機能を付加しつつ、より上位のプランの追加を開始した。結果、小規模法人だけでなく、より規模の大きな企業や上場準備企業、成長企業での利用がどんどん進む結果となった。

事実、従業員規模が300に近づくfreeeにおいても、経理・人事ともに自社製品を使い、圧倒的な効率化を実現するロールモデルとなっている。

[freee 事務業務を一括管理、中小向けサービス]

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スマートプラットフォームで新しいB2B取引のスタイルを

ついに freee のユーザー同士がネットワーク化していく第一歩を踏むことができた。60万以上の事業所に利用されクラウド会計ソフトシェア No.1 であるfreeeであればこそであるが、すでに多くのユーザー同士がビジネスの取引を行っている。今年リリースできたスマート請求書はfreeeのユーザー同士であれば、受けとった請求書を入力しなくとも直接freeeに自動登録されるという画期的なネットワーク機能だ。これは、freeeのプラットフォーム構想の第一歩。将来的にはfreeeを通じて、B2Bの取引がamazonで商品購入する以上に簡単になる未来をつくっていきたい。

[freeeの企業間取引プラットフォーム第一弾]

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会計事務所とのパートナーシップが躍進

freeeは2015年末、会計事務所向けの新コンセプトをセットし、従来のエンドユーザー向けのマーケティング活動に加え、会計事務所向けのマーケティング活動を本格的に開始した。掲げるコンセプトは「リアルタイム経営パートナー」。顧問先がリアルタイムで財務状況を把握することを支援し、それをリアルタイムで共有し、経営レベルのパートナーとしてさらに高い付加価値を提供する、そんな会計事務所と顧問先の新しいパートナーシップのかたちを支援し、拡めていきたいという思いだ。

経理のプロには使いにくいという声もあったfreeeだが、さらに攻めの機能開発と、コンセプト理解の浸透が進んだ結果として、顧客志向の会計事務所を中心に非常に早いスピードで会計事務所へもfreeeが浸透した一年であった。freeeを理解し、顧問先へのサービス提供においてfreeeを活用する会計事務所である freee 認定アドバイザーの数も3,600 を超え、新製品ラインとなる「申告 freee」も加えて、さらに会計事務所への導入は加速される見込みだ。

[会計士税理士はなくなる仕事ではない – 2016年のfreeeの展望]

人事給与労務が第2のビジネスの柱として躍進

2014年にリリースされてから2年が経過する「給与計算 freee」。従業員が勤怠情報や個人情報をクラウド上に記録するだけで会社にとっては給与計算が1クリックで完結するという画期的な製品だ。今年は、給与計算 freee に入社手続きなどの労務管理機能も付加され、単なる給与計算ソフトを超えて、本格的な労務管理のワンストップパッケージとして進化しつつある。

スモールビジネスにとっては経理に次ぐ負担とされる給与計算であるが、個人的にも実家の美容院において、月末となれば家族がテレビの前で黙って給与計算をして、子供は相手にしてもらえなかったような原体験をまさに克服するツールを産み出せたことは非常に嬉しいことであるし、今年の給与計算freeeの進化をもってみると、来年は事業としても会計freeeと並んで freee の事業の二本柱になっていく見込みだ。

給与計算にとどまらず、人事労務をカバーする給与計算freeeの今後の成長を是非ご期待いただきたい。

[クラウド給与計算ソフト、シェア1位はfreee]

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銀行とのシステム連携が当たり前になる契機

住信SBI銀行やみずほ銀行と公式なAPIによるデータ連携が実現した。これにより、従来のデータ連携より安定度の高いデータ連携が可能となる。加えて、freee 上に登録された未決済取引をfreeeから直接振込をかけられるようなAPI連携も住信SBI銀行よりリリース予定となっている。このように入出金明細の取得に限らず、銀行の持つ機能とfreeeの機能を直接連携させる動きは今後ますます一般的になっていく予定である。

特に今年は、金融庁のワーキンググループにおいても、API連携によりオープンイノベーションを推進する動きは明確に打ち出されるようになった。今後、クラウドサービスと銀行サービスの連携は当たり前のものになっていくことであり、注目すべき非常に面白いエリアである。

[住信SBIネット銀、会計ソフト上で振込可能に]

融資や顧客エンゲージメントのため、銀行と本格的な業務提携の実現

銀行との業務提携も進み、スモールビジネスの可能性が広がる年ともなった。ジャパンネット銀行や横浜銀行から、freee上の財務データを利用して事業者向けローンの与信審査が受けられる仕組みがリリースされた。これまで、事業者が与信審査を受ける際には、膨大な書類の提出が求められており、事業者にとっても銀行にとっても大きな負担となっていたが、これらがデータ化されてfreee上で共有されることで、圧倒的にプロセス短縮につながり、小さなビジネスであっても融資が受けやすく、あるいはよりよい条件で融資を受けることが可能になる。銀行側にとってもコストダウンが進むことでこれまで一定以上の規模の会社にしかできなかった貸出が可能になるのだ。

また、石川県の北國銀行では、顧客とのリレーションづくりの一つの手法として、freeeを活用した業務改善コンサルティングの実施がおこなわれており、金融機関の取引先や見込み顧客への価値提供手段としても本格稼働することができた。システム連携を超えた、このような本格的な業務提携も今後さらに進捗していくだろう。

[ジャパンネット銀行中小融資にAI活用]

[ノルマとゴミ箱を廃止 – 北國銀行の真意]

[横浜銀行、ローン契約ネットで完結]

[捨てられる銀行]

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累計100億弱の資金調達を実現

今年も33億の大型資金調達を実施。これまでの累計資金調達額は96億円を超えることとなり、実に100億円弱の資金を集めたことになる。日本におけるB2Bスタートアップにおいては異例の規模だ。freeeは未上場期間を十分にとり、その間に事業をじっくりと成長させる経営を着実に進めていきたいと考えている。freee の実現したい未来はそれほどに大きいものだと思うし、日本におけるスタートアップの資本政策においてもひとつのモデルとなることができれば、それは意味のある貢献だと思う。長期的な視点を見据え、次の技術とプラットフォームづくりのための企画にどんどん投資をしていきたい。

[freee 33億円調達 – トヨタ系ファンドなどから]

確定申告が圧倒的に簡単に:会計ソフトはモバイルファーストなユーザーも

freeeの原点ともいえる個人事業主の確定申告がこれまで以上に圧倒的に簡単になった。さらにそれがスマホ上からも利用可能となったのだが、個人事業主や法人の方ではほとんどスマホのみで完結するユーザーも出てきているのがとてもおもしろいトレンドだ。「クラウドってなぁに?」というような人でも「アプリ」といえばなんとなくわかってもらえるし、キーボードが打てなくてもスマホアプリなら使うことができる。さらには、テンキーなどであれば、ノートPCよりもスマホの方がうちやすいということもある。スマホを含めて個人事業主の確定申告を大幅にブラッシュアップできたことは大きな成果であった。

[freeeのandroidアプリ、質問に答えるだけで確定申告可能に]

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申告ソフト事業に参入、そして電子申告にも完全対応

個人事業主の確定申告、給与計算の源泉所得税の申告(会社は毎月の給与支払いから天引きしている所得税を申告しなくてはならない)に加え、法人税の申告に新たに対応し、本格的に申告ソフト事業に参入をした。この法人税申告機能のリリースは2017年3月の予定だが、すでに会計事務所さんを中心に予約注文が殺到している。

これまで、おそらくUXという概念すら存在していなかったであろう申告の作業を徹底解剖して、これまでになく、簡単で効率的な税務申告を実現した。

税務申告という、ビジネスを運営する上では避けては通れないマストなプロセスを圧倒的に進化させることで、経理・人事業務において一気通貫で価値を届けていきたい。

そしてまた、これらの申告業務すべてにおいて、freeeから直接電子申告することも可能となり、税務申告のプロセスから紙はどんどんなくなっていくだろう。行政手続きの電子化はfreeeが掲げる重要な実現テーマの一つである。これによりあらゆるビジネスが平等になっていくだろう。

[フリー税務申告ソフトに参入]

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新オフィスフル稼働:五反田がスタートアップの聖地に

2016年頭より、freeeにとっては創業以来5つ目のオフィス(西五反田)に移転し、新オフィスにてフル稼働を開始した。僕の自宅の居間で始めたfreeeが4年経った今や、五反田のオフィスビルにて5フロアを使うようになった。社員全員で集まる場があることや、地下などを活用して自由に仕事できる空間になっていることなど、freeeのカルチャーを体現するための要素に満ちたオフィスになっている。また、合わせて五反田が本格的に拡大期のスタートアップの集積地として盛り上がって来ており、メディア等にも露出するようになってきた。さらに五反田のスタートアップ経営者の会などもできてきて、働いてみると最高な五反田の魅力を分かち合える仲間がどんどん増えていることも嬉しいことだ。

[五反田と西中島 VBの聖地に]

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freeeのカフェエリア

2017年は freee のビッグバン

2016年は、freeeのコアビジネスが一層進捗していくと共に、その事業の拡がりの具現化が見え始めた年であった。2017年は、freeeのコアな価値のさらなる追求はもちろんのこと、クラウド会計ソフト、給与計算ソフトと一見して見えるものが提供しうる本当の価値が、徹底的に拡がる、まさにビッグバンのような年になるだろう。すでに融資関連サービスで見られるように、データプラットフォームとしてのfreeeの活用はどんどん進捗していくし、今年設立したスモールビジネスAIラボの動きも活発化し、データを前提としたAI技術も合わせて進化させていく。自動仕訳のみならず、本質的に価値のある独自技術はいっそう打ち出されていく。一方で、これまでよりもさらに大きなビジネス向けにも価値を届けられるよう、しっかりとバリューチェーンを埋める動きも大きく進捗する。

組織も拡大し、できること・学べることが急拡大している今は、これまでのfreeeにおいても最もエキサイティングなタイミングである。2017年を通して、何をお届けできるか、今から楽しみで仕方がない。freeeのビッグバンに、是非ご期待いただきたい。

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名残惜しく家族全員で年男・年女の1年を終え、ツバメの酉年にワクワクしつつ

2017年もまた、よろしくお願い申し上げます。

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2016年12月末日 佐々木大輔

周囲に振り回されないプロダクト開発法 – freee のリリースからの学び

今回は、「クラウド会計ソフト freee」のリリースにおける学びについてまとめてみた。今後、新規にプロダクト開発を行う人や、ソフトウエアをコアとするスタートアップの人にとって参考になると嬉しい。周囲からのフィードバックをうまく活用できず、本来すべきだった仮説検証をしきれないケースというのはとても多いのではないかと思う。僕達の失敗もや苦悩などを含め、より多くのよいアイデアが力強く世の中に出ていく一助になれると嬉しい。

freee のリリースまでの間、評判は決してよくなかった

freee は 2013年3月19日にリリースされた。リリースまでの間、いろいろな方に見ていただいたり、触っていただいたが、実はリリース前の freee は決して評判がよいわけではなかった。「今までの会計ソフトで十分」、「この業界は30年間変わっていない。今さら変わる訳ない」、「自動で帳簿がつくのは気持ち悪い」など、いろいろなご意見をいただいた。参考になる部分も多かったが、心が折れそうにもなり、あるときには一旦フィードバックを聞くのをやめ、とにかく一旦完成させて公表して世の中全体に問うてみようという意思決定をしたほどだ。(写真は、当時一番精神的につらかったころの横路と平栗:それぞれ現CTO、開発本部長)

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リリースすると freee は大ヒット

その結果、自分たちが信じる価値をもつ最低限のプロダクトをつくることにひたすらフォーカスし、2013年3月19日、freee はいよいよ世の中に公表された。この時点では、一部の分かる方のニーズを強烈に満たすことができれば万歳、というような思いでいたのだが、予想に反して freee はインターネット上で大きな話題となり、予想していなかったアクセス集中で一時期はサービスを停止せざるを得なかったほどであった。

ターゲットユーザーとインターネットのフィット

リリース当初の freee のターゲット顧客は、個人事業主や小さな法人の経営者の方であった。インターネット上で積極的に情報に触れている方々であると同時に、インターネット上で自由かつ積極的に発言をする方々が多く、強い拡散力があった。インターネットの世界は広い訳で、例えネットで積極的に情報収集/発信をする人の割合は小さかったとしても、そのような方々の強い共感を得られれば、大きな数になる。そこまで計算していた訳ではないのだが、期せずして、freee は発信力のあるイノベーターの方々より強い支持を受けた。

マーケットリサーチでは捉えられないニーズ

僕は、自身のキャリアを通してマーケティング・リサーチを多くこなす仕事をしていた。その経験を通じて強く思うようになっていたのは「OOは欲しいと思いますか」といったようなリサーチ手法の限界だ。回答者はその時点で、価値を正しくイメージできないかもしれないし、ある程度周りの人々に支持されているという事実がないと価値になり得ない場合もある。一方で、例えば、「個人事業主の方で自分で会計帳簿をつけている人はどれほどの割合いるのか」のように潜在的なターゲット市場のボリュームを測定する上では、マーケティング・リサーチは大いに役に立つだろう。具体的なソリューションをマーケティング・リサーチで評価することは困難だ。

ではどうすればよいのか、 会計ソフト freee のリリースやその後の freee のプロダクト群のリリースからの僕の学びをここにまとめておく。

1. 狭めのターゲットセグメントをしっかりと定義すること

会計ソフト freee に関して言えば、ターゲットセグメントの定義は実はしっかりやっていた。しかし、ヒアリングなどをする際にズバリそのセグメントを代表する声を集められていたかというとそうではなかったところが問題であった。会計freee のリリース前のフィードバックとリリース後の実際の反応に大きな乖離があったの一因はおそらくここにあるだろう。会計ソフト freee に関して言えば、i) 自分で会計帳簿をつけている ii) 個人事業主あるいは小規模法人の経営者 iii) インターネット活用が非常にアクティブ (具体的にどんなサービスを使っている人だと範囲に入るのかも定義していた)というようなイメージを持っていたのだが、実際にヒアリングさせて頂いた方はこの3つを厳密に満たしていないケースが多かったと振り返ってみれば思う。

一方、このターゲットセグメントがうまく機能した例もある。例えば、freee はリリース時点で Chrome/Safari 以外のブラウザをサポートしなかった。もちろん、当時 Internet Explorer のシェアは無視できない大きさであった訳だが、テストなどの負荷も考慮して思い切ってサポート外とした。結果として、リリース後3ヶ月ほどの間は IEからのアクセスはほとんどなく、適切な絞り込みができたといえる。

このターゲットセグメントは、特にリリース時は狭めに持っていていいと思う。まずはイノベーティブな狭い範囲の方々の心をつかむことが重要で、それができれば周辺にさらに広がっていく素地ができるのだと思う。

また念の為に定義すると、このターゲットセグメントはペルソナとも違うと思う。ペルソナがチームが一緒にめがけるべく1点を定義するようなものであるが、ターゲットセグメントはストライクゾーンを定義するものだ。エモーショナルな部分のみで評価されるプロダクトでなければ、最初は開発チームも小さいだろうし、ペルソナを定義するより狭めのターゲットセグメントをしっかり定義し、そのセグメントの持つペインポイントをしっかりと解決することがとても重要だ。

2. 明確なベネフィットを定義して、確保すること

「OOな商品を欲しいと思いますか?」に対して賛同を得るよりも重要なことは、自分たちで明確なベネフィットを定義して、実際にそのベネフィットを提供できているかどうかという事実である。会計 freee があまりポジティブでないフィードバックを受けている中で心折れることなくリリースまで突き進むことができたのは、帳簿付けにかかる時間を「50分の1」にすることができるという自分たちの実験の結果であった。これは、既存の会計ソフトでまずは入力の練習をし、同様の作業を freee で行った場合どうなるかというデータであるが、自分たちの実験の結果圧倒的な差がつくれるということに自信を持っていた。これによって、ぶれずに進むことができたし、この圧倒的な差があれば、絶対に風穴をあけられると思った。そして、うまくいかなかったときには明確な学びにもなるだろうと思った。(失敗する際にも学びになる失敗であるかどうかで大きな差がある)

このように、どのようなターゲットセグメントに対して、具体的にどんなベネフィットを提供することができたら勝ちなのか、これを考えて一旦この点にフォーカスしてみることが重要だ。

最低限で最高速ですすめること

振り返ってみると会計ソフト freee はあと2ヶ月早くリリースできたのではないかと思っている。そしてのその2ヶ月という時間は非常に重要な時間であった。今は法人における利用が大きく進んでいる freee であるが、当初は個人事業主の確定申告における利用のニーズが最も大きかった。しかし、2013年3月19日というリリース日は残念なことにその年の確定申告の直後である。あと2ヶ月早くリリースをすることができれば、確定申告に関する知見をさらに1年分多く持つことができたのだ。

では、どのように2ヶ月を縮めることができたのか。

まず、創業直後、Google を退職して一旦時間ができたことを期に、freeeはどうあるべきかをゼロベースで考えなおしてしまったことが挙げられる。このとき、結果として結論はかわらなかったし、アイデアがあるなら形にしてしまうことの方がよほど大事だというのをこの時の経験からも思う。これに加えて、freee はリリース時点では最低限ではなく、定義していたターゲットセグメントやベネフィットに対して少しオーバースペックでもあった(いわゆる MVP – Minimum Viable Productとはかけはなれていたと思う)。

これらを回避するのは非常に難しいことであるが、この経験を臥薪嘗胆として「アウトプット⇛思考(まずアウトプットする、そして考え改善する)」という freee の会社としての価値基準にもなっている。重要な学びとしてカルチャーとしていくのも大切であるし、もうひとつ付け加えるとすると、厳しいタイムラインを立て、それを忠実に守るということによって、自然と削ぎ落とされMVPへとベクトルが向かうのではないかと思う。

読書も大事だった – キャズムとイノベーションのジレンマ

創業当初、開発に没頭してコーディングスキルを高めることに必死だった僕は、あまりビジネス書なるものを読まなかった。会社として freee がある程度成長してきた段階から、課題を感じるような分野については、一度初心にかえって評判のよい本を読んで見るということをやってみたが、中でも最初から読んでおけばよかった、と思う本は「キャズム」と「イノベーションのジレンマ」である。読んでおけばもっと大胆にイノベーターを向いたリリースまでのプロダクトづくりができたのではないかなと思っている。

   

リリース当初のユーザーの要望は非常に重要である

リリース直後、反応がよかった場合には多くのユーザーに利用いただき、多くのフィードバックをいただける。これはとてもありがたいことであるのはもちろんのこと、この初期のフィードバックにはしっかりと注意を払うべきだ。というのも、初期のフィードバックには、「リリース前に想定していなかったが、確かにこれできないとだめだよね」というような至極当たり前のことが非常に多く含まれているからだ。

会計ソフト freee も特にリリース後のフェーズにおいては徹底的にユーザーからのフィードバックによって育てられたし、それがなかったら今頃どうなっていたことかと思うことすらあるほどだ。

もちろん、その後のフェーズにおいてもフィードバックは非常に重要であり続け、しっかりと受け止めていかなければならない。ただし、プロダクトが成長するにつれ、即座に対応するというよりは、フィードバックをいただいたユーザーが背景に抱える課題をしっかりと把握するということが大事で、その上でその課題を解決するために、僕達の場合であれば freee らしいベストなソリューションは何かを問いなおしてみることが重要となり、少し対応の仕方が変わっていくことが自然であり効果的だと思う。

まとめ

今回は freee を例として、初期のプロダクト開発において重要と思える点をまとめてみた。自分自身でも経験していることだが、さまざまなフィードバックを受ける中で芯の強いプロダクト開発をすることは非常に難しいことだ。新しいものを世に出すにあたっては誰もが不安を持つだろう。でも、その不安に打ち克ち、もっともっと新しくエッジの効いたアイデアが試されるべきだ。失敗を恐れるのではなく、失敗したとしても、その後の学びとなるような「活かせる失敗」とすることを目指そう。そのために、月なみながら、強い仮説としてのターゲットセグメントとベネフィットが研ぎ澄まされていることは非常に重要な武器だと感じている。

起業の失敗を活かしてスタートアップで活躍するということ

よく、「起業するときに、失敗するの怖くなかったですか?」ということを聞かれる。僕はまったくもって怖いと思わなかったのだが、その大きな理由のひとつは、「失敗したとしても、それは絶対にいい経験になる」と思っていたことにある。

僕が以前勤めていた Google には世界中の元起業家がたくさんいたし、その中には活躍している人も多かったので、なんとなく「失敗しても、それは糧になる」というイメージを持っていたということがベースにあると思うのだが、実際、起業の経験がどのようにその後のキャリアに影響を与えるものなのか検証すべく、社内で活躍する営業チームの元起業家をあつめて座談会を実施、そのエッセンスについて考えてみた。

【まとめ】起業から学び、スタートアップで活かされている 4 つのこと

  1. 仲間の重要性を理解し、チームをより活用できる
  2. 視座があがり、より大きな枠組で考えられる
  3. ビジョンの重要性を痛感し、ぶれない意思決定ができる
  4. よりタフなメンタリティが持てるようになる

登場人物

宇津木貴晴:

青山学院大学理工学部卒。インターンとして関わっていたベンチャー企業に新卒として入社。事業部長として事業拡大に貢献し、5年目に本事業を買収し独立。その後改めてゼロから事業を作りたいと考え、中小企業向けに集客支援クラウドサービスを提供する会社を設立し2度目の独立。2015年にfreeeに参画し、セールス内のコンサル営業チームに従事。

小原史明:

専修大学ネットワーク情報学部卒。新卒で株式会社いい生活に入社。入社4年目で最年少営業部長に抜擢され全国営業部売り上げNo.1を達成。その後セールスフォースドットコムでの新規開拓営業、オンラインマーケティング支援会社の起業を経て2014年にfreee に参画。現在はセールスチームのマネージャーを務める。

野崎真司:

明治大学商学部卒。新卒で不動産会社に入社し1年後に退社。その後、DeNAに入社しEC事業に従事。新規獲得営業、ECコンサル、新規サービスの立ち上げなどを担当。その後SMB向けのEC支援事業で起業。2015年にfreeeに参画し、セールス内のコンサル営業チームに従事。

どんな事業をやって失敗したのですか?

野崎:あらかじめ断っておきますが、僕は一応失敗した訳ではありません笑 あくまで起業経験組です。新しいサービスをつくりたいと思って、以前いたDeNAの部長とマーケティングのリーダーと三人で会社をおこしました。DeNAだと大きいビジネスでないとGOを出せなかったが、もう少しスモールビジネスの人向けの、小回りがきくサービスを作りたいという思いでした。EC関連をやっていたので、新しいサービスを立ち上げるにあたって、一番最初は食うに困ってコンサル事業をやって、お金は稼げるもののサービスを立ち上げるところまでなかなかたどりつかなかったんです。お金に困るということはなかったのですが、とにかくサービスをつくる時間がなかった。他のメンバーはまだ事業を続けているので、失敗ではないです。

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宇津木: 自分は2回起業しています。学生のころから起業したいと思っていて。当時世間を賑わわせたホリエモンやサイバーの藤田さんを見て、若くして会社を作るということを知ったんですよね。最初から責任をもって社会に影響を与えるということが衝撃だった。まずはベンチャーでインターンを始めました。入ったのが6人くらいの会社でクラウドを売る事業をしていたんです。その事業を潰すという話がでたので、じゃあ自分にやらせてほしいと手を上げ、1人でやらせてもらった。そのまま入社して、5年後くらいに後その事業を買い取ったんです。

ただ、もう一度、ゼロからやりたいと思い、独立したのが2回目の起業。社会的意義がある、世界にインパクトがあることをしたかったので、何をしようか考えメンバーをあつめて資金調達しようとか考えてやっていたんだけど、メンバーが一緒にできなくなってしまい、スタートから何もない状態になってしまって。まずは生きていかなきゃいけないのでサービスを考えて、生活はできるようになって、ふと気づいたらすごく楽な生活をしていて、人によってはそれは成功になるのかもしれないが、自分にとっては違いましたね。クラウドで月額課金制、営業は代理店。ある程度お客さんがいてあまり解約されなかったのである程度の収入は何もしなくても入ってくるんです。毎日暇で、安堵してしまった。当時は、楽だなあと思ったんですけど、考えてみたら何も成長していないなあと気付きました。20代にがんばった経験の貯金を切り崩してる感じですね。

小原: セールスフォースをやめるちょっと前から会社をやってました。昔から起業したいと思ってたんですが、20代で一度会社を作らないとずっとずるずるいっちゃうかなと思って。もうひとりの仲間と一緒に会社を立ち上げることになりました。

営業畑にいたので、webマーケや集客に興味があったんです。まずはつながりがあった不動産会社や芸能プロダクションのの web 周りのマーケティング支援をしていました。

最初は成果報酬で調子が良かったんだけど、その後もめることも出てきました。効果は出たけど、最初にいってた効果と違うとか。売掛で回収できなかったりとか。

気づくとニッチな産業の穴ばかり探すことになってしまい、最初にやりたいと思っていたスケールするビジネスはできなくなってしまいました。起業でたくましくはなったけど、成長という点では、企業に属していた時の方があったなと。

このような経験から、どんな学びがあり、どのように活かされているのかを自由にディスカッションしていく。

仲間の重要性を理解し、チームをより活用できる

宇津木:僕は、1人でやってたので、1人ってだめだと思った。目的にもよるけど、何か事業を加速させるときって仲間がいないと、相談する相手もいない。結局1人って会社としてやってる意味がないなと。

小原:  同感。組織で人と働くことが重要だということが、起業で逆に分かりました。自分1人だと刺激が少ないから。お客様や取引先とはあるけど、仲間内ですごいなという人と一緒に働くことはなくなる。だから仲間の重要性がわかるようになって、自分の知らなかった意見や違う発想の切り口を積極的に取り入れていけるんですよね。freeeで、他のチームや上司、新しい人とのリレーションをつくっていくことはすなわち自分の成長に繋がるんです。起業前はこんなこと気づかなかった。

野崎: 起業すると何でも自分で決められるという側面もあるけど、自分でゼロからサービスを作ろうと思うと、超遅いんですよね。インパクト残すんだといきがってみるものの、スピードが遅い。

既にリリースしているサービスを優秀なエンジニアと連携しながらやることで、インパクトが全然違うよねということが心の底から理解できるんだと思います。

小原: あと、少人数でやっていて目線が狭くなっちゃうことも多かったのですよね。目の前のことに夢中になって、お金を回収する作業がうまく行かなかったりとか。入金されるっしょと思ってたらされてない。200万なのに50万しか入ってない、どうする?みたいな。社長のところにいって「契約書ありますよね」と言ったら、「分かんない」とか言われて。結局解決しなかった。実は社長だと思ってた人が仮置きされてる人で、オーナーが別にいた。そのオーナーのコミットメントをとれていなかったんですよね。営業として基本的なことができてなかったんです。もっと仲間と議論して、振り返りをしていればこういうことも防げたのかなと。

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視座があがり、より大きな枠組で考えられるようになる

野崎:起業した後、freeeに入って組織の中での自分の役割が有機的にわかるようになりました。目線が高くなるというか。漫然と働くというところから一度外れることで見えてくるものがありました。例えば、新しい機能がリリースされましたという話は、起業以前は「リリースしたんだ」くらいだったのですが、今はこれが出たらもとこれもできるんじゃないか、あれもできるんじゃないかと考えるようになって、組織の中で起こるあらゆることを有効活用できるようになる。

宇津木:ビジネスがうまくいってないときなんかに、僕は、生きることについて真剣に考えた。生きてる意味というか。客観的に自分を見つめなおすというか。

野崎:そう、一旦自分を見つめなおすことで気づくことがある。忙殺されて気づいていなかったことに起業を挟んだことで気づいたんです。結果、事業全体を自分事として捉えてみる力ができた。「この会社と一緒に」、どう価値をつくれるかを考えるようになる。もちろん、そう思える会社じゃないと働きたくない、という気持ちはさらに強くなる訳ですが。

僕:確かに、視座はあがるよね。僕は起業すること自体ははじめてだけれど、学生時代にスタートアップで本気でインターンしていたことがあったり、その後も小さな組織で働くことが多かったので、そういうことは、部分最適ではなく全体最適を常に考えるために役に立ったと思う。

ビジョンの重要性がわかり、ぶれない意思決定ができる

宇津木:まずは生きていかなきゃいけないのでサービスを考えて提供し、生活はできるようになったんだけど、ビジョンとか何もなかったです。とりあえず生きていければいい、お金が入ってくればよいと思い、元々考えたところとはまったく違うビジネスにいってしまいました。目先のお金に振り回されたというか、追われたなというのはありますね。

小原: とりあえずビジネスやり始めてお金が回ったら勝手にビジョンができるかと思っていたらそうじゃなかった。ビジョンを、方向性だけでも持っておいて、そこへの階段を登っているという感覚を作るのが大切だなぁとつくづく思います。

多分、起業にはお金とビジョンの二軸があるんですよね。

お金は儲かれば儲かるほど、もっと儲けるにはどうしたらいいかという話ばかりになって、いろいろなことを見失う。稼ぐためのビジネスだと、全然やりたくもないことに関わっていったりとか。

だからこそビジョンを最初に作っておくべきですね。

単純に儲かるで飛び込むと、どっかで終わりが来るんですよね。半年くらいものすごい利益出してもいきなり切れたりとか。利益率が高いお客さんがいなくなって、すぐ利益が出なくなるとか。今単発で儲かるビジネスを考えがちになってしまう。儲かるものがなくなると、ホワイトボードに向かって儲かることを考える。そしていつのまにかホワイトボードに向かってる時間がどんどん長くなる。ここ市場ありそうだねとか、そういうことばかりやっちゃう。ビジネスモデルを組み立てるだけ。

もっと実行したものにフォーカスするべきだったと思う。ゼロイチばかりやるのではなく、1を100とか200にするというか。強いビジョンがないとそれってできないのですよね。

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野崎: freee の立ち上げのころはぶれなかったんですか?

僕: 当然、ぶれぶれのときもあった。ただ、「ビジネスを経営する人達が、自分の好きなことさえしていれば事業をカンタンに推進できるような環境をつくりたい」 というゴールは変わっていなくって、一時期は会計ソフトよりももう少し小さなものから始めようかという話もでたけど、ど真ん中の会計ソフトで勝負をすることにした。最初の頃だと、どこまでをぐいぐい決めてよいのかも難しいし、開き直るまでにはちょっと時間かかったけど。

当然、メンタルはよりタフになる

宇津木:やはり、生きることについて真剣に考えるくらいなんで、メンタルがタフになるんですよね。

小原:給料から勝手に年金がひかれるという訳でもないので、いろいろかかるコストに何のために払ってるんだっけ、とか苦しいときに思った。起業して半年くらいの一番苦しい時に住民税の請求とか届くんですよね。え、このタイミングで?って。こういうの経験すると本当に強くなる。

また、いろんなこと起こるから、そこも身軽になるしタフになります。「明日いける?」って言われて、次の日にハワイにいったりとか。

宇津木: 俺、アフリカとか行った。ほぼ、現実逃避でした。でもアフリカでやっぱり自分でプロダクトつくれなきゃいけないよねと思ったんです。面白い Web サービス思いついたんで、23時間のドバイのトランジットでずっと開発の勉強をしました。そのプロダクトは単純に面白そうだからつくってみて、今思えば何の課題も解いていなかったので当然失敗しましたが。

現実逃避にアフリカにいっても、そんな瞬発力はあった。

それからなんといっても、メンタルでいえば、「モチベーションがあがらない」みたいなことがないんですよね。起業してると、当然モチベーションが上がらないと会社潰れるし。。考えたこともなかった。多分、プロスポーツ選手とかも、そんなこと考えてないんじゃないかなと思います。

組織の中にいても、そもそも自分の周りの人達にモチベーションを与えられる人になれば、自分のモチベーションを考える必要もなくなると思うし。

僕: じゃあ、やる気ないときってないの?

宇津木: なくはないけど、それを他人のせいにしないというか。結構自分で解決できることは多いなと思います。

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元起業家キャリアと freee

野崎:自分たちのサービス開発のため、いろいろなビジネスについて調べているうちに、freeeを知り、これは確実にスケールするビジネスだと思ったんです。自分が立ち上げるときにはストック型のビジネスを作りたくて。それを形にするのがどれだけ難しいというのが肌感としてあった中、freeeはそれが形になっている会社だったんです。

宇津木:そう、スモールビジネスの人にITを使って支援することをずっとやってきたので、あらゆるビジネスで 必要になる会計ソフトを中心とする freee のプロダクトはインパクトを与えられる範囲としては一番大きくて最終形だと思ったんです。自分がやってきた中で。これまで一人でやってきて、「自分が心底共感できるか?」というとこを特に考えましたね。

小原:ビジネスモデルに加えて、自分でやることの限界を感じていたので、とにかく優秀な人、すごい人と働きたいと思ってたんですよね。すごい人って曖昧なんですが、面接とかで、「すっげー、この人に勝てない」と思えた。

野崎:価値基準もよかった。「理想ドリブン」というのが一番刺さって。自分たちに一番欠けていたから。

宇津木:freee にとってのお客様である経営者と話すとき、いろんな感覚が非常によく分かるんです。具体的に、アドバイスしたり相談にのれる。年後にこうなるから今のうちにこうした方がいいですよとか。

一同:それ、あるある

宇津木: もっと起業経験者来てほしい!

小原: 起業しても戻ってこれるよみたいな。ちゃんとビジョン持とうといいたい。

野崎: 経営陣や起業失敗組とアイデアについて語る会とかやる?

宇津木: 会社設立 freee に「まだ迷っている」ボタンをつけて、そこから案内するとか。あと、会社設立 freee に「ビジョンを入力してください」とかもいいかも。

小原: 答えによっては、「まだまだ早いですね」とか。

(一同笑)

考察

今回は、起業経験について社内座談会を実施するというフォーマットで、起業からの学びについて考えてみた。個人的には一番以外だったのは、起業して仲間の重要性を再実感するという部分であった。確かにこれは、僕自身も freee の経験を通して強く言えることだと思うし、こういったところも再認識する場として、面白い議論だった。

freee は、自分たちの提供する価値を通して、より多くの人が起業に挑戦しやすい環境づくりを実現することをひとつのゴールとしている。一方で、組織としても、元起業家などから多くの刺激を受けて、周囲からユニークな感覚やマインドセットを学び取れる環境でありたいと思う。

僕が成長期の Google で周りから受けたいろいろな刺激を超える刺激を持てる会社にしていきたいと今回の議論を通して、あらためて思った。

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最先端のセールスは、「世の中を塗り替えるテクノロジー」である。 〜B2B スタートアップのビジネスを加速させるために必要な5つのこと〜

どんなによいプロダクトをつくっても、それだけでは使われない。使われなければ、なんの価値も生まない。「優れたプロダクトをつくる技術」が必要なのと同様に、その価値を伝え「世の中を塗り替える技術」が必要だ。

freee は、これまでのバックオフィス業務のあり方を根本から塗り替えるプロダクトで、本質的な課題解決を目指している。例えば、経理業務の負荷を1/50にすることが可能だが、マーケットにこれまでになかったプロダクトであるがゆえ、そしてこれまで競争が緩やかで安定していたマーケットであるがゆえ、広めていくことは簡単ではないし、「世の中を塗り替える技術」を磨いていく必要がある。

それは、フェーズによっても変わってくる。freee 立ち上げ当初は、メインのユーザー層はインターネット活用度の高い個人事業主の方で、セルフサービスでの展開が可能であった。そのため、まずは、SNS上の口コミがフックとなって freee は広まっていったし、次に積極的なオンラインマーケティングが功を奏してfreeeの成長に拍車をかけた。

個人事業主の方からの支持を得ることができ、それによって得た信用によって、バックオフィスの変革において深いコンサルティングを必要とする法人セグメントもさらに強化しようという中で、freee はセールスチームを立ち上げた。

しかし、あらゆるスモールビジネスのバックオフィス業務を自動化し、みんなが創造的な活動にフォーカスできるようにすることを実現するためには、どのようなビジネスでも利用可能な低価格を崩してはならない。とすると、セールス活動をするにあたっても、本質に絞った活動に集中する組織づくりと運営を行わなくてはならない。

それこそが、これまでの営業というステレオタイプにとらわれない「世の中を塗り替える技術」であると僕は考える。

ここでは、freee のセールスチームの立ち上げにおいて中心的な役割を果たした2人を例に、「世の中を塗り替える技術」としてのセールスにとって重要な5つのことをまとめたい。

  1. まず、とにかくやってみる
  2. 理想ドリブンで次々と試して高速PDCAをまわす
  3. すべての活動をミクロ的マーケティングと捉える
  4. スケールさせることにこだわる
  5. 共感が得られるかどうか

「世の中を塗り替える技術」を体現する2人

畠山忠士

東京工業大学大学院卒。専攻は物理学だった。新卒で Google に入社。アドテクノロジーのコンサルティング営業を広告主向け、メディア向けの双方で担当。Google で 3 年を過ごした後に freee に参画。現在はカスタマーサクセスマネジメントチームのマネージャーを務める。チャームポイントは髪型。

大西正人

慶応義塾大学中退。 学生時代は、ITベンチャーでのインターンを経験した後、複数のベンチャー企業の立ち上げに携わる。freee にはインターンとして参画するも、3ヶ月で社員となる。現在は、大手会計事務所向けのコンサルティング営業を担う。

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1. まず、とにかくやってみる

freeeの価値基準である「アウトプット思考」とも密接に関連するが、新しいことに取り組んでいく際には、「まず、とにかくやってみる」ことが非常に重要だ。

畠山がセールスチームを立ちあげ、業務を開始しようとした時点では、当然CRMもなければ、顧客情報もまとまっていない。畠山はそんな状況の中でまずデータベースから顧客情報にアクセスするに際して、自分でSQLを書いて顧客データを取得し、セールス活動を開始した。その一方で salesforce の導入プロジェクトを動かす。後述するように、「世の中を塗り替える技術」においては、PDCAがとにかく重要だ。まず、走りだして、解決しなくてはならない課題も走りながら解決する。この考え方によって、圧倒的に速いスピードで改善とイノベーションを繰り返す体制をつくることができる。

この時期に入社した大西は、入社初日に、「もう電話していいですか?」と名乗りでた。実際に顧客と話すことにより、どんな課題を解決しなければならないのか、どう伝えれば魅力は伝わり、どう伝えれば伝わらないのかは明確になっていく。もし、チーム内の誰にもまだノウハウがない状況だったら、まず話してみるのが一番である。大西はこの日から、パートナーセールスチームへ異動するまでトップセールスとして活躍しつづけた。

いろいろな諸条件がそろっていなかったとしても、まず走りはじめて結果を見ていく。用意周到になりすぎると急成長は実現できない。

2. 理想ドリブンで、次々と試して高速PDCAをまわす

freee は 40万以上の事業所に登録いただいており、とにかく顧客数が多い。そのメリットとして、さまざまな活動の成果を統計的に分析して見ていくことが可能である。

すると重要なことは、さまざまな活動を記録しておき、実験を繰り返し、何が成果につながるのかを実証し、改善をつづけることだ。そしてこのPDCAサイクルをどれだけ速くまわせるかが大きなインパクトをうむし、どんどん新しい実験を企画し、実践していくことで様々なイノベーションを起こすことができる。

畠山は、画面共有によりデモができることが重要だと考え、画面共有ツールを導入してデモをするというプロセスをつくり、大きな成果を出した。大西は、会計ソフトだけでなく、給与計算ソフトを合わせて提案という新しいプロセスをつくり、大きな成果を出した。アイデアは、どんどん実験にうつし、その成果は定量的にわかる。チーム内でうまれるさまざまなイノベーションが定量的に検証され、プログラム化されていくのだ。

大西がよく熱く語ることがある。彼がこれまで経験してきた会社では、「前職ではこうだった」という経験でものごとが進んできた。freee ではそれがなくて、考えることは「理想」であったり「本質的な価値」であって、そのために必要なことはなんでも試せばよい。なんでも理想ドリブンで進められることが、freee の最大の強みだと。

freeeでは新しいことをやろうとしているのであって、そこで必ずしもこれまでの経験からくるものが正しいとは限らない。経験にとらわれず、新しいことをどんどん試し、結果を見るというPDCAを回せば回すほど、「世の中を塗り変える技術」には磨きがかかるし、この中にいることで、新しい本質がどんどん見えてくるようになることは非常に面白いことだ。

3. すべてのセールス活動はミクロ的マーケティング

一般的なマーケティングが「このようなセグメントの顧客にアクセスするベストな方法は何か、そのためにどのようなメッセージが重要か」を考えることは非常にマクロ的なアプローチであって、一方でセールスは個々の顧客というところにフォーカスをあててミクロ的なマーケティングを担っているのだ。使い古された言葉で言えば、セールス活動で重要なことは、「ひとりひとりの顧客を理解し、ひとりひとりの顧客に最適な提案をすること」であって、これはすなわちミクロ的なマーケティングなのだ。(あるいは、one-to-one マーケティングといわれてきているものがこれに近い)

そして、テクノロジーが進化した現代においては、このマクロ的なマーケティングとミクロ的なマーケティングの境界がうすれてきている。つまり、ミクロ的なマーケティング(=セールス活動)で生まれた知見は、すぐにスケーラブルなカタチでプログラム化することができる。すなわち、セールス活動のひとつひとつがマーケティング企画を産みだす活動となっている、という革命的な時代なのだ。

この革命を実現するひとつの手段は、マーケティングオートメーションである。つまり、ここのミクロ的マーケティング活動から見出された、個々の顧客に対するベストなアプローチはマーケティング・オートメーションにより、スケールできる。以前は、マクロ的なマーケティングでしかスケールできなかったマーケティング活動が、ミクロ的なアプローチから可能になったのだ。

freee ではセールスチーム発足のかなり初期からマーケティング・オートメーションのツールとして、 Marketo を導入している。 Marketo 導入は、セールスとマーケティングの双方からのコミットメントにより導入することが不可欠。非常に範囲が広いため、ゴールが見えず手探りな中でマーケチームと話し合いを続け、畠山は Marketo をセールス活動に組み込む基盤を作った。

一方で、プロダクト自体にもミクロ的マーケティングは影響を与える。大西は、これまでセールス活動から見出した顧客ニーズをプロダクトに反映する点でも、大きな功績をあげつづけている。例えば、まずは自ら顧客の乗り換えを手伝って、それをスケールさせるためにプロダクト開発アイデアを提案し、それが実行される。アイデアが freee の機能の一部になれば、インパクトは一人の人間が出せるインパクトを大きく上回る。

1件、1件がミクロ的マーケティングであるという考え方は、世の中を塗り替える技術を磨く上で非常に重要だ。

4. スケールさせることへのこだわり

ミクロ的マーケティングと非常に強く関連することであるが、スケールさせられる体制をつくっていくことも非常に重要だ。例えば、freee には、電話機がない。組織やビジネスオペレーションをスケールさせていく上で、そして自分たちの向かう方向性を実践する意味でも、電話はすべて twilio を利用し、クラウド上で電話機能を完結させることができる。

インターネットさえあれば、どこかれでも仕事ができる環境が実現されており、例えば最近オフィスの移転をした際にも、段階的な移転となったのであるが、どちらのオフィスからでも通常どおりオペレーションを進めることができた。

Marketo の導入も、まさにオペレーションをスケールさせることが目的であるし、マーケティングチームと密なコミュニケーションをとりながら、自分の知見をスケールさせることも重要であるし、前述の通り、実際に freee の機能を新機能を実現することで知見はスケールされていく。

最近では、セールス活動をよりスケールさせることを主なミッションとした開発チーム(その名も「GYOMU HACK」チーム)を設置し、いかにオペレーションをスケールできるかを徹底追求している。

チーム内で日々生まれてくる改善やイノベーションを、どれだけ世の中全体に大きなインパクトを与えられるものとして実現できるか。ここには徹底的に知恵をしぼらなければならない。

5. 結局、共感を得られるか

こうして、実験を繰り返しながら、科学的なアプローチをしていく一方で、セールス活動において、最終的に重要ことは、共感を得られるかどうかの一点である。

新規のプロジェクトとして立ち上がったセールス活動が軌道に乗りはじめた頃、畠山が熱くはなしていたのは、いかに freee のコンセプトに共感し、感情的にも喜んでいただけるようになったか、ということであった。freee の目指す世界観、みなでつくりあげたプロダクト、これらが本当にしっかりつたわることで、感動さえも産みだすことができるということは、組織全体の大きな自信につながった。

大西は、「共感を得るためには、個々のお客様の悩みや課題を明確にイメージできるようになることが大切」と語る。とても重要なことであるが、これを日本のスモールビジネス全体に適用できるよう、スケーラブルにしていくことは非常にチャレンジングな課題だ。1件1件の共感を大切にしながら、さらに数多くの顧客体験を向上させるオペレーションをつくっていかなければならない。

その先にあるもの

ビジネスを成長させていく課程では、1つの壁を突破すると、また新しい課題が浮かびあがってくる。そして対応すべく新しいオペレーションをつくっていく。畠山や大西が既に新たな課題に取り組んでいるのもその好例だ。

こうして、組織の成長を目の当たりにしていると思い出すのは、Google の元 CEO である Eric Shmidt が、現 facebook COO の Sheryl Sandberg へ贈ったキャリアアドバイスである。

Get on a rocket ship. When companies are growing quickly and they are having a lot of impact, careers take care of themselves. And when companies aren’t growing quickly or their missions don’t matter as much, that’s when stagnation and politics come in. If you’re offered a seat on a rocket ship, don’t ask what seat. Just get on.

「ロケット(的に急成長する乗り物)に乗りなさい。会社が急成長していて、大きなインパクトを創出しているのであれば、自然と素晴らしいキャリアがついてくるものだ。一方で、会社が急成長していなくて、どうでもいいミッションしか持っていないのであれば、そこには停滞感と政治活動が蔓延する。もし、ロケットに乗る機会を与えられたのなら、どんな席でも乗るとよい」

freeeは、あらゆるスモールビジネスが創造的な活動にフォーカスできる環境をつくるべく、ビジネスのプラットフォームの構築を目指している。それによりビジネスを経営することがよりクールなことになるし、小さなビジネスからより多くのイノベーションが生まれる世の中になるだろう。そのためには、まず、freeeはバックオフィス業務を効率化するソリューションとして圧倒的な支持を得るべく成長していかなければならないし、今後ビジネス領域もどんどん広がっていく。

そこには、いろいろな新しい挑戦や機会が待っているだろう。そして、僕達の「世の中を塗り替えるテクノロジー」はさらに高速で進化していくはずだ。