海をテーマに組織のすべてを疑う

前回紹介した通り、「スモールビジネスを、世界の主役に。」という新しいミッションを立て、「アイデアやパッションやスキルがあれば、誰でも簡単にビジネスを強くスマートに育てることができるプラットフォームをつくる」というサービスコンセプトを掲げた。

経理や人事労務業務を自動化する会計freeeや人事労務freeeは、高く評価されるプロダクトに成長してきているが、会計ソフトだけ見てみると、中小企業における会計ソフトのクラウド化率は未だに15-20%ほどである。

freeeが業務アプリケーションの枠を超え、上記のようなプラットフォームとなっていくには、もちろんプラットフォーム上でのサービス開発も重要だが、まだクラウド化ができていない残りのビジネスにどのようにクラウドの、そしてfreeeの価値を届けるかが非常に重要な前提となってくる。

こう考えたときに、ふと大航海時代の航路開拓が進む前に(西洋で)知られていた海もそれくらいの割合であったのではないかと思い、簿記という概念も大航海時代の前提としてルカ・パチョーリによって1494年に発明されたというような事実にも敬意を評して、freeeがスモールビジネスの業務アプリケーションのクラウド化を進める冒険のモチーフを大航海時代に例えようと思い立った。

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イタリアの数学者ルカ・パチョーリは「簿記会計の父」と呼ばれている

ということで、7月はfreeeにとって新年度であるし、ミッションやサービスコンセプトも改めたいいタイミングであるから、毎年実施している社員合宿(今回は「freee spirit 2019」と命名)にて、このモチーフも含めて発表した。

 

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大航海時代になぞらえた衣装で登壇

freeeは、ミッションおよびコンセプト実現のために、エンドユーザーである中小企業や個人事業主の方々に直接販売およびマーケティング活動を行う側面と、パートナーである会計事務所の方々向けに業務効率化とサービス付加価値向上のためのソリューションを提供するという側面を持っているが、いずれも目指すゴールは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションであって、それはあたかも大航海時代に香料諸島を東からも西からも目指したことにもたとえられるなと思った。

そこで、社内的にはパートナーカンパニー、エンドユーザーカンパニーという2つのカンパニー制を今年度からとろうと思っていた。ところが、社内呼称をあらため「パートナー航路」「エンドユーザー航路」と呼ぶことにした。

さらに、このスモールビジネスのクラウド化大航海時代の航路開拓のリーダーのモチーフにふさわしい概念はないかということを考えてみたところ、ヴァスコ・ダ・ガマ、コロンブス、クックなど偉人は多いのであるが、やはり世界周航というのは非常に大きな偉業だし、僕たちのフェーズにあった偉業でもあると考え、マゼランを航路開拓のリーダーのモチーフにしたいと思った。

しかし、縁起の悪いことにマゼランの船団は世界周航を果たしたが、マゼラン本人はフィリピンのセブ島にてラプラプ王に殺されてしまうという歴史がある。リーダーが死んでしまうのは演技が悪いが、マゼランに敬意は評したいということを考え、マゼランを超えるマゼランという意味を込めて、各航路のリーダー(カンパニーCEO)を概念としてスーパー・マゼランと呼ぶことにした。

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スーパーマゼラン達によるパネルディスカッション

会議体や組織の名前も、この大航海時代モチーフとしてみた。経営会議は大航海会議、週次の重要事項アップデートのためのミーティングを船団連絡会、経営管理ミーティングは港湾委員会などといった具合だ。

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組織名称も大航海時代をモチーフに変更

元々freeeでは、上司という概念がなく、役割としてのピープルマネージャーを「ジャーマネ」と呼んでいる。主役はひとりひとりのメンバーであり、主役が最大限パフォームする役割であることを明確化している。

社内の組織呼称も、こんなモチーフでいったんゼロベースで考えてみると、例えば「本部長」や「部長」といった呼称でイメージが凝り固まってしまったり、中途入社の人が前職のイメージを引きずってしまうことをリセットする意味があり、既成概念を打ち破る組織づくりとしても面白い試みだと思っている。

もちろん、様々な社内呼称を一気に変えているので、それは一瞬カオスにはなる。しかし、そんなことも楽しみつつ、自由に考えいろんな概念もつくりつつ、世の中に価値を届ける会社でありたい。一見ふざけても見えてしまうかもしれないのだが、大真面目に考えている。

例えば freeeは、不具合のことも、「バグ」ではなく、「ハッピー」と呼んだり、価値基準の言葉も独自の言葉を使うことで、独自のカルチャーをつくることに強くこだわってきた。

同じように、新テーマで、心機一転、日本のメインストリームのスモールビジネスの皆様にクラウドの価値、自動化の価値、プラットフォームの価値を届けていくべく邁進していきます。

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新ミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」

今月で6周年、時間の創出を実現してきたfreee

今月、2018年7月にfreeeは会社の設立から6周年を迎える。6年前は製品の構想だけ存在して、プログラミングの勉強をしながらfreee開発に着手したものであったが、そこから6年、無事に会計freee のリリースを皮切りに、「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできるよう」というミッションのもと会計、人事労務、会社設立、申告などさまざまなバックオフィス業務を全体として自動化するソリューションを展開してきた。

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2018年7月2日に開催した「FY2019事業戦略発表会」

その成果として、100万以上の事業所で利用いただけるようになり、3,600を超える金融機関や他の業務アプリケーションとのデータ連携を実現し、5,000を超える会計事務所さんともパートナーシップを組ませていただき、クラウドの会計ソフト市場においてトップシェアを獲得する存在となることができた。

この間、やはりバックオフィスの仕事をラクにするという点についてはいろいろなところで実現することができてきたし、ミッションに対しては少しずつ近づいていく軌道は描けたのかなと考えている。実際に、バックオフィスの業務量はfreeeを利用して、数分の1から20分の1になったという声は多くいただくようになった。

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バックオフィス業務が20分の1になり、かつfreeeはビジネスの成長にも貢献するようになった

最近は、これに加えて、さらに大きなインパクトを産むことができてきたと実感している。freeeを利用して毎月レポートを見ているユーザーの74%は増収を実現しており、freeeのレポートを閲覧して経営をする会社の成長率が非常に高いということもわかってきているのだ。

例えば、六本木や目黒の蔦屋の植栽なども担当され、花卉業界で新たなチャレンジをする株式会社BOTANICさんでは、freeeを活用することでバックオフィス業務を1/20に圧縮すると同時に、freeeを利用して季節性やビジネスモデルの異なる4つの事業部門をコストをかけずに管理したり、様々なレポートを必要なときに見て分析したり、スマホやタブレットから現場であっても重要な仕事は確認するなど活用いただき、結果ビジネスは増収増益を続け、実際にビジネスが伸びるという点に貢献している実感を持っていただいている。

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3期連続増収の株式会社BOTANIC 代表 田中彰様(freeeユーザー)

つまり、freeeは、「創造的な活動にフォーカス」というミッションを掲げ、時間を創出することに取り組んで来たわけであるが、結果としてすでに事業自体に力を与えることまでできていることがわかってきた。さらにその先にどんなサービスを展開していきたいのかも考えてみると、創業6周年を迎えるこのタイミングでミッションをさらに先に進めてよいのではないかと考えた。

新ミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」

ということで、この度、freeeはこれまでのミッションをさらに進化させ、「スモールビジネスを、世界の主役に。」という新しいミッションをセットします。

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そして、このミッションの実現に向け、「アイデアやパッションやスキルがあればだれでも、ビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォーム」を実現します。

世界というと、よく、「海外に出るの?」と言われるのだが、将来的にはやっていくつもりはあるものの、まずは「世界=世の中」という意味と考えていただきたい。スモールビジネスを世の中の主役にしようという思いでこのミッションをセットした。

 日本の99%のビジネスは中小企業であるわけだが、労働生産性では中小企業は大企業の半分以下の生産性にとどまり、テクノロジーの浸透もすすんでいない。マクロ的に見たときに、働く場所として人気というわけでもないし、日本の起業の数は他国と比べても圧倒的に低いし、起業家が社会的にも評価されない国であるとも言われている。

 こういう状況というのを変えて、スモールビジネスこそ、強くて、かっこよくて、スマートな存在で、この人たちの方が、ほんとに強くて、何か怖い存在だと思われるような世の中をつくっていきたい。

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FY2019事業戦略発表会で新ミッションを発表

 スモールビジネスが世の中の主役となり、大きく繁栄することには社会全体として、大きな意味がある。一つは、イノベーションが加速すること。小さなビジネスであればこそ起こせる、大企業には見えないイノベーションは非常に多く存在する。Googleの検索以外の事業の多くはM&Aが種となっているし、テクノロジー業界以外でも奇抜なアイデアはスモールビジネスからこそ生まれやすい。2つ目に、スモールビジネスを経営することは究極の自己表現である。これを選択肢にもてることは、精神的にもすばらしいことだし、個が強い社会の象徴だ。そして3つ目に、スモールビジネスは働く環境としても、より多様な価値観にであえたり、非連続的な成長がある場所である。つまり、スモールビジネスが強くなることは世の中をオモシロクする。

 よく、「スモールビジネスのほうが強くなるって、ほんとにできるんですか?」って聞かれるけれど、実はスモールビジネスは新しいテクノロジーをすばやく採用できる。経営者が決めればよいだけだ。また、スモールビジネスの数は多いからこそ活用できるAIやデータの価値もあるだろう。つまり、しっかりとテクノロジーをスモールビジネスに届けることができれば、この大革命は実現できる。非常にやりがいのあるミッションだと考えている。

だれでも、ビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォーム

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「スモールビジネスを、世界の主役に。」このミッションに向けて、freeeがまず実現しようとするのは、「アイデアやパッションやスキルがあればだれでも、ビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォーム」である。スモールビジネスが、freeeのプラットフォームにのっていただければ、簡単にビジネスができるだけでなく、ビジネスが強くなり、よりスマートに経営したり、運営したり、意思決定できるようになる、そんなプラットフォームをつくっていく。

これは、今まで通りビジネスを簡単に業務効率化できるようにするところはもちろんのこと、ビジネスの状態の可視化を簡単に進められることがまず第一だ。そのために freee はこの7月に「あらゆるビジネスで経営企画」をコンセプトとした「プロフェッショナルプラン」をリリースし、事業計画の策定や予実の分析を簡単に行える機能の提供を開始した。今後、エクセルから freee のデータを簡単に呼び出せる機能なども実現予定で、企画、分析の機能は今後ますます充実していく予定だ。

また、あわせて会計事務所向け機能として「AI月次監査」機能もリリース。こちらでは、月次の帳簿の確認の業務をAIが代行していくことて、会計事務所におけるルーティーン業務を自動化し、よりコンサルティング・アドバイザリー的業務にフォーカスできることを支援する機能だ。このように会計事務所のルーティン業務の自動化が進めば、スモールビジネスに提供されるサービスの付加価値も大きく向上し、「スモールビジネスを、世界の主役に。」というfreeeが目指す姿にも近づいていくことは間違いない。

では、「だれでもビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォーム」を目指して、その先に何に取り組んでいくのか。テーマはいくつかある。ひとつは、スモールビジネスを資金繰り面から支援する。資金の制約はスモールビジネスが成長する、強くなる上での制約の一つだ。そして、ビジネス間の取引自体を簡単にするプラットフォーム自体を構築する。そして、バックオフィスに限らない業務領域の自動化なども考えていきたいと思っている。

「創造的な活動にフォーカス」から「スモールビジネスを、世界の主役に。」新しいミッションを掲げ、次のフェーズに進むfreeeに引き続きご期待ください。

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初の著書を出版しました。時間の使い方とか計画について僕が気をつけていることをまとめてみました。新しい目標を探したい人、目標達成を目指す人におすすめです。

3ヶ月の使い方で人生は変わる

2017年の振り返りと「自動化」「可視化」にこだわる2018年

2017年もあとわずか。freeeは今年も全速力で駆け抜けました。支えて頂いた多数の皆様にも厚く御礼申し上げます。一年の振り返りと来年の展望をこちらにてご紹介します。

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2017年freee全社恒例忘年会

申告freeeをリリースし、認定アドバイザーも5,000を突破、freeeが会計事務所と顧問先を結びつけるインフラに

5000までの推移

会計事務所の圧倒的な効率化とよりよいサービス提供の支援を行うことからも、ミッションである「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできること」に貢献しようというテーマは、freee の歴史の中では比較的新しいテーマであるが、今年は特に大きく組織も拡大し、投資も行ってきた。会計、経理のプロの方々から頂いていた改善要望については、大部分を解消することができ、年末の時期には本当に多数の会計事務所の皆様から、「今年は freee は本当に変わった。会計のプロにも使いこなせる」という声をたくさんいただくことができたのは本当に嬉しいことであった。

その中で、法人税申告や電子申告対応した「クラウド申告 freee」のリリースは、会計事務所業務を徹底効率化する上での大きな目玉となった。法人税申告への対応は決して軽い開発ではなく、ここに投資をし、かたちにしたことは freee のこのビジネスに対するコミットメントとして評価いただくことができた。さらに、会計ソフトと申告ソフトの完全連動や、クラウドならではの共同作業のしやすさを評価いただき、「クラウド申告 freee」としてグッドデザイン賞も受賞いただいた。

結果として、freee の認定アドバイザーとなっていただいた会計事務所の数は 5,000 を突破し、多くの会計事務所にて freee に対応いただいたり、全面導入いただける年となった。このことは、freee をお使いいただいている、あるいは検討いただいている企業の皆様においても大きな朗報となった。

freeeの達人アドバイザー忘年会

freeeを達人級にお使いいただく会計事務所さんとの忘年会

freee が上場企業に対応。成長企業の内部統制も人事労務もすべてクラウド化。

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「freee を使っていても、結局上場準備とかするようになると乗り換えなきゃいけないのですよね?」「freee って会社が大きくなったら、どれくらいで卒業することになるのですか?」こんなことを昔よく聞かれた。しかし、共同作業や分散入力をしやすいクラウドサービスであればこそ、大人数での利用でも向いているということもあり、成長企業においても利用できるものとしていきたいという思いをずっと持っていた。

また、freee の着想は僕がスタートアップのCFOをやっていたころに目の当たりにした経理の業務プロセスから得ているが、これまで経理のプロセスにおける入力の重複を徹底的に解消してきていた。その中で、重複作業の最後のピースとなっているのが稟議書であった。つまり、内部統制を聞かせている会社であれば、何かの発注にたいする請求書が到着する前に請求情報を持った稟議が社内で承認されているはずで、請求情報を入力するのではなく、稟議から自動転記すればよいのだ。加えて、当時、内部統制対応のため、会計帳簿をプリントアウトしてハンコを押して承認するという10年前でも信じられないと思ったプロセスがあった。こういったものも、本来クラウドで承認されるべきである。

このような想いを背景に、今年は稟議などを作成できるワークフロー機能を備え、内部統制にも対応した会計 freee のエンタープライズプランをリリース。開発においては、今年7月に freee を利用し IPO を成功させたソウルドアウト社に協力いただき、内部統制対応や成長企業での利用における論点つぶしにともに取り組んだ結果として実現することができた。

さらに、成長企業に対するサービス提供においては、利用されている他のソフトウエアとの連携が不可欠である。リリース後の初期段階からAPIを公開するfreeeでは、ますます連携アプリケーションも増加し、グローバルプレーヤーである salesforce.com や slack などのツールとの連携も開始し、API連携も大きく進捗した。

また、これまで、給与計算や労務手続きの自動化を目指して「給与計算freee」として展開していた製品を「人事労務 freee」としてコンセプトを拡大させて、大きな進化に取り組み始めた。給与計算だけを管理するのではなく、一元化された従業員名簿から、勤怠管理、給与計算、労務手続、社内承認フローなどを一括で管理していこうということを目指すのが「人事労務 freee」だ。小規模の会社から、従業員1,000名規模の会社まで含めて、人事管理負担を大きく減らす実績をどんどんつくることができている。

第2回HRテクノロジー大賞受賞

人事労務freeeは、第2回HRテクノロジー大賞を受賞した

このように、急成長企業を支えるソリューションとして、freeeは大きく進化した1年となった。その結果、上場準備企業や急成長企業の定番選択肢となってきたことは大きな達成であった。

本格的に個が活躍する時代、freee はスモールビジネス経営の電子化を枠を超えて牽引

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スモールビジネスにおけるバックオフィスの自動化をコアとする freee であるが、自動化の前提となる電子化の部分で、ボトルネックとなる部分として残っているものももちろん存在する。

スモールビジネスにおけるクレジットカード利用は、このボトルネックの中で非常に重要なものである。ビジネスにおいて、支払をクレジットカードに寄せていくことは、支払時の利便性だけでなく、経理全体のプロセスを効率化したり、正確性を担保する上で大きなメリットがある。さらに、freeeのような会計ソフトを利用すれば、会計帳簿への記録なども含めて自動化することができるのだ。

しかしながら、これまで残念ながらスモールビジネスにおけるクレジットカードの利用率は必ずしも高くなかった。その大きな理由は、「審査におちる」「審査におちるのではないか不安」「3年分も決算書がない」といった理由である。実は、僕自身も創業当初にクレジットカードの審査に落ちた経験があるのだが、起業するとクレジットカードつくれない説は都市伝説のように存在する。また、法人の信用でクレジットカードをつくるには通常3年分の決算書が必要だ。

そこで今年は、創業直後の方に対してもフレンドリーにつくることができるクレジットカード「freee カード」をライフカード社との提携によりスタートさせ、カード利用が進まない問題の根本から解決に取り組むことに乗り出した。

また、個人事業主の確定申告のプロセス自体にもボトルネックは存在するが、今年はマイナンバーカードや住基カードにより、 freee から直接電子申告ができる機能を提供開始し、非常に好評を得た。今年度分の確定申告においては、WindowsからもMacからでも電子申告がfreeeからできるよう機能拡充されていく。

シェアリングエコノミー、民泊、副業、働き方改革など、個人が雇用されている会社に100%依存するのではなく、自分の事業も持つ新しい生き方が注目された一年であった。こういった、「個」が自立して生きやすい新しい時代を支えるプラットフォームとして、freeeは徹底的にスモールビジネス支援を続けていく。

freee で振込も融資も自動化へ

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今年大きな話題を呼んだのは、銀行法の改正により銀行による参照系・更新系のAPIの開放が実質義務化されたことである。日本における新しい FinTech サービスの創出もこれを契機に活性化していくだろう。また、この法の施行に先立ち、freee では、三菱東京UFJ銀行、住信SBIネット銀行、ジャパンネット銀行などとのAPI連携により、freeeに登録されている未払金を自動で振り込むことができる振込連携を実現した。

このように、外部システムから振込指示をかけるような仕組みは、大規模な投資によりファームバンキングシステムを導入しなければ従来は不可能であった仕組みだが、この freee の振込機能の提供により、自動振込がどんな規模のビジネスであっても可能になる。まさにこのAPI開放により、テクノロジーの民主化が実現された好例だ。

融資の分野でも大きなイノベーションが起きた。今年、freee は、金融機関のモニタリングを自動化する「リアルタイム経営シグナル」を提供開始した。これは、銀行が融資先企業の試算表を紙ベースで毎月回収し財務状況をモニタリングするという手間が発生していたところに、融資先企業がfreeeを利用している場合には試算表回収しなくとも自動で財務情報が金融機関とリアルタイムに連携され、しかも、財務状況に変化が生じたときのみ自動でアラートを飛ばすことで、モニタリング業務自体を自動化するという仕組みである。これにより、融資のモニタリングのコストが低下すると、融資サービス自体のクオリティもあがる。例えば、北國銀行では無担保・無保証の創業融資の場合には、freeeの利用が条件となっており、freee を利用していれば、創業融資を受けるハードルが大きく下がっているのだ。

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引き続き組織も成長

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freeeの組織も引き続き成長を続け、今では400人を超えるような体制となった。そんな中でも、相変わらず全社合宿では、価値基準について全員で議論し、急成長の中でもムーブメント型組織である自分たちの本質を忘れず、カルチャーを支えることができた一年であったと思う。働きがいのある会社ランキングにおいても、今年は3位を受賞させていただいた。

僕自身にも小さい子供ができ、また小さな子供がいる同年代の社員も多いことから、自然発生的にファミリーデー的イベントも立ち上がったり、子育て支援的な施策も「ツバメっ子クラブ」としてまとまった一年であった。

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freeeオフィスでファミリーデー

2018年とその先

先日、freee Developers blog に、今重要だと思っていることを書いたが、今一度しっかりと freee の提供価値とその価値の発揮にこだわることが非常に重要だと考えている。「マジ価値」精神は freee の価値基準のエッセンスであるが、来年は初心に戻って、自分たちが本当に「マジ価値」かどうか徹底的に向き合い、マジ価値を発揮する一年としたい。

具体的には、これまでバックオフィス業務の自動化にこだわってきた freee の価値を、「業務の自動化」だけではなく、「経営の可視化」にもスコープを広げ、「自動化」「可視化」の両方の観点から、freee の提供価値の最大化に全社でこだわって取り組んでいこうと考えている。

2018年3月には製品としての freee は5周年を迎える。クラウド会計ソフト freee が世に誕生してから5周年だ。その間、会計ソフトのクラウド化は急速に進み、若い会社で言えば当たり前という時代になった。しかし、まだ世の中全体でみた場合にはマジョリティではない。マジョリティになっていくの時間の問題ではあるが、急速に進めるには、クラウドであるかどうかは関係なく、「自動化」「可視化」という価値の発揮がどれだけできているかにかかっていると思う。その上でこそ、その上にのる各種金融サービスはさらに活きてくる。

究極的には、どんな人にとっても会計ソフトや人事労務ソフトは「見るだけ」の存在になるだろう。「見るだけ」の存在になることで100%攻めのツールになることができる。

2018年も何卒、freeeをよろしくお願い申し上げます。

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【freee設立5周年】マンションの居間から始まった急成長の軌跡を振り返る

7月9日で設立5周年を迎えた freee。毎年恒例の全社オフサイト(合宿)にて、お祝いをしつつ、新年度と次の5年に向けて結束を深めてきた。オフサイトはまたさらにこれまでとは違う景色の見える規模で、急成長しつつもミッションに向けて進む組織の力を改めて実感する2日であった。

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よい機会でもあるので、ここでこれまでの5年間を一度まとめてみたい。

スタートラインに立てた1年目

スモールビジネスのプラットフォームをつくる、これは当初から変わっていないfreeeのビジョンだった。そのためには、まずスモールビジネス向けの会計ソフトの市場で大きなプレーヤーになれなければ意味がない。

僕が住んでいたマンションの居間でほそぼそと2人で開発を始めた freee であったが、とにかくビジネスをつくるためにやっていたのではなく、大きく世の中を変えることを目指していた。

このように考えたとき、freeeの1年目は、そのビジョンの実現に向け少なくともスタートラインに立てたと思える1年だったと思う。

マンションのリビングを離れてオフィスも借り、プロダクトも無事リリースして、強いニーズが検証された。B2B向けのソフトウエアというジャンルであってもリリース当日からSNS上で大きく話題となることができたのは日本のスタートアップシーンにおいても一つの潮目だったのではないかと思う。

有料化こそまだ始まっていない状況であったが、当時としてはまとまった金額の資金調達も実行でき、現在ではコアメンバーとなるようなメンバーが集まり、とにかく着実にスタートラインに立てたのが1年目だった。

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ビジネスとカルチャーの原型ができた2年目

2013年8月には、いよいよ有料化を実施。freeeの提供価値をビジネスとして世の中に届けることがいよいよスタートすることができた。30年以上変化のなかった日本の会計ソフト業界において経理自動化という全く新しいコンセプトを抱える SaaS モデルのプロダクトが誕生し急成長を始めることとなった。そしてまた、この時点でAPI公開を実施し、中小企業向けのシステムの新しい水準をセットした。さらに、クラウドならではの強みを活かした「給与計算 freee」もリリースされ、まさにビジネスとしての原型ができた年といえる。

一方、freee のカルチャーの原型のようなものも、この2年目に少しずつ誕生した。30人程度の組織に近づくにつれ、組織としての価値観を皆で議論し、しっかりと共有し、それぞれが意思決定できる体制となっていくことが求められたのだ。ちょうど2周年のオフサイトでは、初期バージョンの価値基準を初めて皆で議論しブラッシュアップした。

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起業家から経営者に変わらなければならない3年目

全従業員で100名を超える体制となった3年目。さらに、開発、マーケティング、カスタマーサポート組織を拡充するに加え、営業組織が誕生。さらに速いスピードで組織が成長するようになった。

全員でオーナーシップを持ちつつも、役割や責任について少しずつ明確化していったり、経営体制なども明確化していった。freee における人事制度の最初のバージョンをドラフトしたのも3年目であった。

組織運営というのは、プロダクトをつくることや事業をつくることとの両輪でビジネスを回していくものである。ただし、組織が十分に小さいうちは、さほど意識しなくても事業が成長していればなんとかなるものだ。

しかし、この3年目には、組織が多様性を増し、大きくもなり、組織運営と向き合うことを特に取り組んだ1年だったと思う。いわば、起業家から経営者に自分が変化していくような年だった。

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プラットフォーム化が現実となりはじめた4年目

freeeはこれまで、エンドユーザー向けに価値提供を行い、自分たちの型をしっかりとつくることにフォーカスしてきたが、本格的にスモールビジネスのプラットフォームとしてのダイレクトなステップも歩み始めたのが4年目であった。

ほぼすべての金融機関とはデータ連携を実現していたのに加え、より踏み込んだかたちで、さまざまなかたちで金融機関との提携を開始し、金融サービス利用も freee のインターフェースやデータを活用できる環境を提供はじめたことは、大きな第一歩であった。

そしてまた、会計事務所においての活用がはじまり、会計事務所を支援するチームの急拡大もはじまった。

さらに、小規模法人や個人事業主に限らず、より大きなビジネスにおいてもfreeeを活用いただけるための改修や機能追加が大きく進捗したことに加え、freeeのユーザー同士をネットワークで繋げ、お互いの取引を圧倒的に簡単にすることを実現しはじめた年でもあった。

このような新たなビジネスラインの追加で、ビジネスの拡がりは一気に進んだ一方、何年かの事業運営の成果として様々な係数管理ノウハウも進んできたことにより、事業のコアな部分においてはROI分析に基づいた投資基準のセットも少しずつ可能になり、成長をコントロールできる部分もできてきた。これによりさらに事業へのアクセルが踏みやすくなった。

そんな背景の中、本格的に新卒採用も開始し、13名の新卒も入社。さらに freee のカルチャーが強化される契機となった。

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各事業がビジョンを持つ5年目

5年目は本当に自分にとっての経営の概念が変わった年であった。

事業として、会計事務所における活用が一気に急拡大し、会計事務所支援を行うチームが特に大きなチームに拡大するとともに、「申告 freee」をリリースし、法人税申告や年末調整を freee のデータからシームレスに電子申告できるような機能の提供がはじまった。

一方、エンタープライズプランのリリースなどの新規開発を通じて、成長企業における活用もどんどん実績ができ、「クラウドERP」という新たなコンセプトが広まっていった。

さらに、コアとなる中小企業向けの会計ソフトにおいては、創業1年目の会社ではクラウド利用がパッケージを超えるという大きなマイルストーンを迎えることができた。

人事労務の業務をワンストップ化する「給与計算 freee」のコンセプトが非常に好評であり、さまざまな可能性が見えてくる中、ひとつの事業の柱として大きく投資し、「人事労務freee」としてさらなる進化を遂げることも決めた。

ただし、このような事業の成長よりもより重要なことは、freee における経営の質が変わってきたことではないかと考えている。各事業やチームがより長い視点に立ったビジョンを持ち、自律的に事業や開発の推進を行うようになっている。あたかも共通のミッションを追うスタートアップ連合体のように組織を運営することができ、freee 全体が新たにアウトプットできることは組織拡大のスピード以上に伸びることとなった。

こんな中で、自分の役割はより抽象度を増し、freee全体として矛盾のない進化と価値提供を担保すること、そして視野広く非連続的な成長を考えることとても重要で、またそのために色々な方向からものごとを見てみたり情報をインプットしたりすることの重要性を実感した年だったと思う。

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6年目、そして次の5年

freeeの6年目はさらに新たな次元でスピード感を持って価値を届ける1年になるだろう。

結果として、会計・人事労務という非常に保守的であった分野が、エンドユーザーだけでなく、それを助ける会計事務所・金融機関も含めて大きく効率化され、スモールビジネスの経営者がよい意思決定にフォーカスできる世の中に向かって急速に進化する。

これからの1年は、こういった変化を正当化するエキサイティングな1年である。

Google も YouTube も NetFlix も自ら何かを欲して検索しなくても、情報を薦めてくれるようになった。スマートフォンがタッチスクリーンという新たなインターフェースにより、機械をより直感的にした。そして次に、スマートスピーカーといわれる Amazon Alexaや Google Assistant は、本格的に自然言語での会話によるインターフェースを実現しつつある。

この Amazon Alexa や Google Assistant が国内発売し、国内勢でも LINE や Softbank がスマートスピーカーを発売するそんな年なのだ。

つまり、テクノロジーが一部の人のものではなく、人を選ばない時代が本当に来ているのだ。

これは、暗黙的に受け止められてきた、あるいは諦められてきた世の中のルールや前提が本当に変わってくるということを意味する。

そして、スモールビジネスを経営するためのテクノロジーも当然人を選ぶものであってはならない。

こんなトレンドのもとで、スモールビジネスが、創造的な活動にフォーカスし、より強くてかっこよく活躍できる、そんな環境に急速に近づく1年としていきたい。

freeeの2016年10大ニュース。そして2017年はビッグバン。

2013年にリリースして以来 4 年目となるfreeeにとって、2016年は徹底的にその提供するコア価値においても事業においても幅が拡がった一年であった。引き続きクラウド会計ソフト、クラウド給与計算ソフトにおいてシェアトップを走り、新しい市場の牽引に励む一方で思えばこれまで1点突破にのみ集中してきた freee が次のステージに進み、とてもダイナミックな1年であったなと思う。

もちろん、これを可能にしたのはいうまでもなく、「スモールビジネスに携わるみんなが創造的な活動にフォーカスできるよう」というミッションのもと、小さいビジネスこそかっこよく仕事できる世の中をつくっていくムーブメントに集う優秀なメンバーである。freee は組織的にも300人に近くになり、ビジネス領域拡大に向け様々な試みをどんどん行えるようになった。毎月のように新しいプロジェクトや新しいチームが立ち上がり、様々な試みから大きな学びを得た1年であった。

[スモールビジネスを最先端でかっこいい存在にすれば日本は変わる]

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2016忘年会での記念撮影

そんな1年の10大ニュースをここにまとめてみる。

クラウドERPコンセプト始動。数百名規模でも使えるサービスに。

freeeは小規模法人や個人事業主において高い評価を得て世の中に広がったサービスだ。もちろん、そのセグメントにおいて引き続き圧倒的な強さを持ち、進化を続けているのだが、気づけは数百人規模の法人でも使われるケースがどんどん増えていることがわかってきていた。さらに、元来、ビジネスのお金の流れに合わせたユーザーインターフェースを打ち出し、これまの会計ソフトのあり方にとらわれず、経理の経験がなくても使えるfreeeでは、数百名規模の会社であっても、人事労務を司る給与計算freeeとあわせて従業員全員で使っていくことで、これまでの経理業務・労務管理業務を圧倒的に効率化できるという特徴があった。そのため、中堅規模の会社での利用においてのボトルネックを解消する機能を付加しつつ、より上位のプランの追加を開始した。結果、小規模法人だけでなく、より規模の大きな企業や上場準備企業、成長企業での利用がどんどん進む結果となった。

事実、従業員規模が300に近づくfreeeにおいても、経理・人事ともに自社製品を使い、圧倒的な効率化を実現するロールモデルとなっている。

[freee 事務業務を一括管理、中小向けサービス]

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スマートプラットフォームで新しいB2B取引のスタイルを

ついに freee のユーザー同士がネットワーク化していく第一歩を踏むことができた。60万以上の事業所に利用されクラウド会計ソフトシェア No.1 であるfreeeであればこそであるが、すでに多くのユーザー同士がビジネスの取引を行っている。今年リリースできたスマート請求書はfreeeのユーザー同士であれば、受けとった請求書を入力しなくとも直接freeeに自動登録されるという画期的なネットワーク機能だ。これは、freeeのプラットフォーム構想の第一歩。将来的にはfreeeを通じて、B2Bの取引がamazonで商品購入する以上に簡単になる未来をつくっていきたい。

[freeeの企業間取引プラットフォーム第一弾]

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会計事務所とのパートナーシップが躍進

freeeは2015年末、会計事務所向けの新コンセプトをセットし、従来のエンドユーザー向けのマーケティング活動に加え、会計事務所向けのマーケティング活動を本格的に開始した。掲げるコンセプトは「リアルタイム経営パートナー」。顧問先がリアルタイムで財務状況を把握することを支援し、それをリアルタイムで共有し、経営レベルのパートナーとしてさらに高い付加価値を提供する、そんな会計事務所と顧問先の新しいパートナーシップのかたちを支援し、拡めていきたいという思いだ。

経理のプロには使いにくいという声もあったfreeeだが、さらに攻めの機能開発と、コンセプト理解の浸透が進んだ結果として、顧客志向の会計事務所を中心に非常に早いスピードで会計事務所へもfreeeが浸透した一年であった。freeeを理解し、顧問先へのサービス提供においてfreeeを活用する会計事務所である freee 認定アドバイザーの数も3,600 を超え、新製品ラインとなる「申告 freee」も加えて、さらに会計事務所への導入は加速される見込みだ。

[会計士税理士はなくなる仕事ではない – 2016年のfreeeの展望]

人事給与労務が第2のビジネスの柱として躍進

2014年にリリースされてから2年が経過する「給与計算 freee」。従業員が勤怠情報や個人情報をクラウド上に記録するだけで会社にとっては給与計算が1クリックで完結するという画期的な製品だ。今年は、給与計算 freee に入社手続きなどの労務管理機能も付加され、単なる給与計算ソフトを超えて、本格的な労務管理のワンストップパッケージとして進化しつつある。

スモールビジネスにとっては経理に次ぐ負担とされる給与計算であるが、個人的にも実家の美容院において、月末となれば家族がテレビの前で黙って給与計算をして、子供は相手にしてもらえなかったような原体験をまさに克服するツールを産み出せたことは非常に嬉しいことであるし、今年の給与計算freeeの進化をもってみると、来年は事業としても会計freeeと並んで freee の事業の二本柱になっていく見込みだ。

給与計算にとどまらず、人事労務をカバーする給与計算freeeの今後の成長を是非ご期待いただきたい。

[クラウド給与計算ソフト、シェア1位はfreee]

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銀行とのシステム連携が当たり前になる契機

住信SBI銀行やみずほ銀行と公式なAPIによるデータ連携が実現した。これにより、従来のデータ連携より安定度の高いデータ連携が可能となる。加えて、freee 上に登録された未決済取引をfreeeから直接振込をかけられるようなAPI連携も住信SBI銀行よりリリース予定となっている。このように入出金明細の取得に限らず、銀行の持つ機能とfreeeの機能を直接連携させる動きは今後ますます一般的になっていく予定である。

特に今年は、金融庁のワーキンググループにおいても、API連携によりオープンイノベーションを推進する動きは明確に打ち出されるようになった。今後、クラウドサービスと銀行サービスの連携は当たり前のものになっていくことであり、注目すべき非常に面白いエリアである。

[住信SBIネット銀、会計ソフト上で振込可能に]

融資や顧客エンゲージメントのため、銀行と本格的な業務提携の実現

銀行との業務提携も進み、スモールビジネスの可能性が広がる年ともなった。ジャパンネット銀行や横浜銀行から、freee上の財務データを利用して事業者向けローンの与信審査が受けられる仕組みがリリースされた。これまで、事業者が与信審査を受ける際には、膨大な書類の提出が求められており、事業者にとっても銀行にとっても大きな負担となっていたが、これらがデータ化されてfreee上で共有されることで、圧倒的にプロセス短縮につながり、小さなビジネスであっても融資が受けやすく、あるいはよりよい条件で融資を受けることが可能になる。銀行側にとってもコストダウンが進むことでこれまで一定以上の規模の会社にしかできなかった貸出が可能になるのだ。

また、石川県の北國銀行では、顧客とのリレーションづくりの一つの手法として、freeeを活用した業務改善コンサルティングの実施がおこなわれており、金融機関の取引先や見込み顧客への価値提供手段としても本格稼働することができた。システム連携を超えた、このような本格的な業務提携も今後さらに進捗していくだろう。

[ジャパンネット銀行中小融資にAI活用]

[ノルマとゴミ箱を廃止 – 北國銀行の真意]

[横浜銀行、ローン契約ネットで完結]

[捨てられる銀行]

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累計100億弱の資金調達を実現

今年も33億の大型資金調達を実施。これまでの累計資金調達額は96億円を超えることとなり、実に100億円弱の資金を集めたことになる。日本におけるB2Bスタートアップにおいては異例の規模だ。freeeは未上場期間を十分にとり、その間に事業をじっくりと成長させる経営を着実に進めていきたいと考えている。freee の実現したい未来はそれほどに大きいものだと思うし、日本におけるスタートアップの資本政策においてもひとつのモデルとなることができれば、それは意味のある貢献だと思う。長期的な視点を見据え、次の技術とプラットフォームづくりのための企画にどんどん投資をしていきたい。

[freee 33億円調達 – トヨタ系ファンドなどから]

確定申告が圧倒的に簡単に:会計ソフトはモバイルファーストなユーザーも

freeeの原点ともいえる個人事業主の確定申告がこれまで以上に圧倒的に簡単になった。さらにそれがスマホ上からも利用可能となったのだが、個人事業主や法人の方ではほとんどスマホのみで完結するユーザーも出てきているのがとてもおもしろいトレンドだ。「クラウドってなぁに?」というような人でも「アプリ」といえばなんとなくわかってもらえるし、キーボードが打てなくてもスマホアプリなら使うことができる。さらには、テンキーなどであれば、ノートPCよりもスマホの方がうちやすいということもある。スマホを含めて個人事業主の確定申告を大幅にブラッシュアップできたことは大きな成果であった。

[freeeのandroidアプリ、質問に答えるだけで確定申告可能に]

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申告ソフト事業に参入、そして電子申告にも完全対応

個人事業主の確定申告、給与計算の源泉所得税の申告(会社は毎月の給与支払いから天引きしている所得税を申告しなくてはならない)に加え、法人税の申告に新たに対応し、本格的に申告ソフト事業に参入をした。この法人税申告機能のリリースは2017年3月の予定だが、すでに会計事務所さんを中心に予約注文が殺到している。

これまで、おそらくUXという概念すら存在していなかったであろう申告の作業を徹底解剖して、これまでになく、簡単で効率的な税務申告を実現した。

税務申告という、ビジネスを運営する上では避けては通れないマストなプロセスを圧倒的に進化させることで、経理・人事業務において一気通貫で価値を届けていきたい。

そしてまた、これらの申告業務すべてにおいて、freeeから直接電子申告することも可能となり、税務申告のプロセスから紙はどんどんなくなっていくだろう。行政手続きの電子化はfreeeが掲げる重要な実現テーマの一つである。これによりあらゆるビジネスが平等になっていくだろう。

[フリー税務申告ソフトに参入]

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新オフィスフル稼働:五反田がスタートアップの聖地に

2016年頭より、freeeにとっては創業以来5つ目のオフィス(西五反田)に移転し、新オフィスにてフル稼働を開始した。僕の自宅の居間で始めたfreeeが4年経った今や、五反田のオフィスビルにて5フロアを使うようになった。社員全員で集まる場があることや、地下などを活用して自由に仕事できる空間になっていることなど、freeeのカルチャーを体現するための要素に満ちたオフィスになっている。また、合わせて五反田が本格的に拡大期のスタートアップの集積地として盛り上がって来ており、メディア等にも露出するようになってきた。さらに五反田のスタートアップ経営者の会などもできてきて、働いてみると最高な五反田の魅力を分かち合える仲間がどんどん増えていることも嬉しいことだ。

[五反田と西中島 VBの聖地に]

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freeeのカフェエリア

2017年は freee のビッグバン

2016年は、freeeのコアビジネスが一層進捗していくと共に、その事業の拡がりの具現化が見え始めた年であった。2017年は、freeeのコアな価値のさらなる追求はもちろんのこと、クラウド会計ソフト、給与計算ソフトと一見して見えるものが提供しうる本当の価値が、徹底的に拡がる、まさにビッグバンのような年になるだろう。すでに融資関連サービスで見られるように、データプラットフォームとしてのfreeeの活用はどんどん進捗していくし、今年設立したスモールビジネスAIラボの動きも活発化し、データを前提としたAI技術も合わせて進化させていく。自動仕訳のみならず、本質的に価値のある独自技術はいっそう打ち出されていく。一方で、これまでよりもさらに大きなビジネス向けにも価値を届けられるよう、しっかりとバリューチェーンを埋める動きも大きく進捗する。

組織も拡大し、できること・学べることが急拡大している今は、これまでのfreeeにおいても最もエキサイティングなタイミングである。2017年を通して、何をお届けできるか、今から楽しみで仕方がない。freeeのビッグバンに、是非ご期待いただきたい。

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名残惜しく家族全員で年男・年女の1年を終え、ツバメの酉年にワクワクしつつ

2017年もまた、よろしくお願い申し上げます。

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2016年12月末日 佐々木大輔