2017年の振り返りと「自動化」「可視化」にこだわる2018年

2017年もあとわずか。freeeは今年も全速力で駆け抜けました。支えて頂いた多数の皆様にも厚く御礼申し上げます。一年の振り返りと来年の展望をこちらにてご紹介します。

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2017年freee全社恒例忘年会

申告freeeをリリースし、認定アドバイザーも5,000を突破、freeeが会計事務所と顧問先を結びつけるインフラに

5000までの推移

会計事務所の圧倒的な効率化とよりよいサービス提供の支援を行うことからも、ミッションである「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできること」に貢献しようというテーマは、freee の歴史の中では比較的新しいテーマであるが、今年は特に大きく組織も拡大し、投資も行ってきた。会計、経理のプロの方々から頂いていた改善要望については、大部分を解消することができ、年末の時期には本当に多数の会計事務所の皆様から、「今年は freee は本当に変わった。会計のプロにも使いこなせる」という声をたくさんいただくことができたのは本当に嬉しいことであった。

その中で、法人税申告や電子申告対応した「クラウド申告 freee」のリリースは、会計事務所業務を徹底効率化する上での大きな目玉となった。法人税申告への対応は決して軽い開発ではなく、ここに投資をし、かたちにしたことは freee のこのビジネスに対するコミットメントとして評価いただくことができた。さらに、会計ソフトと申告ソフトの完全連動や、クラウドならではの共同作業のしやすさを評価いただき、「クラウド申告 freee」としてグッドデザイン賞も受賞いただいた。

結果として、freee の認定アドバイザーとなっていただいた会計事務所の数は 5,000 を突破し、多くの会計事務所にて freee に対応いただいたり、全面導入いただける年となった。このことは、freee をお使いいただいている、あるいは検討いただいている企業の皆様においても大きな朗報となった。

freeeの達人アドバイザー忘年会

freeeを達人級にお使いいただく会計事務所さんとの忘年会

freee が上場企業に対応。成長企業の内部統制も人事労務もすべてクラウド化。

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「freee を使っていても、結局上場準備とかするようになると乗り換えなきゃいけないのですよね?」「freee って会社が大きくなったら、どれくらいで卒業することになるのですか?」こんなことを昔よく聞かれた。しかし、共同作業や分散入力をしやすいクラウドサービスであればこそ、大人数での利用でも向いているということもあり、成長企業においても利用できるものとしていきたいという思いをずっと持っていた。

また、freee の着想は僕がスタートアップのCFOをやっていたころに目の当たりにした経理の業務プロセスから得ているが、これまで経理のプロセスにおける入力の重複を徹底的に解消してきていた。その中で、重複作業の最後のピースとなっているのが稟議書であった。つまり、内部統制を聞かせている会社であれば、何かの発注にたいする請求書が到着する前に請求情報を持った稟議が社内で承認されているはずで、請求情報を入力するのではなく、稟議から自動転記すればよいのだ。加えて、当時、内部統制対応のため、会計帳簿をプリントアウトしてハンコを押して承認するという10年前でも信じられないと思ったプロセスがあった。こういったものも、本来クラウドで承認されるべきである。

このような想いを背景に、今年は稟議などを作成できるワークフロー機能を備え、内部統制にも対応した会計 freee のエンタープライズプランをリリース。開発においては、今年7月に freee を利用し IPO を成功させたソウルドアウト社に協力いただき、内部統制対応や成長企業での利用における論点つぶしにともに取り組んだ結果として実現することができた。

さらに、成長企業に対するサービス提供においては、利用されている他のソフトウエアとの連携が不可欠である。リリース後の初期段階からAPIを公開するfreeeでは、ますます連携アプリケーションも増加し、グローバルプレーヤーである salesforce.com や slack などのツールとの連携も開始し、API連携も大きく進捗した。

また、これまで、給与計算や労務手続きの自動化を目指して「給与計算freee」として展開していた製品を「人事労務 freee」としてコンセプトを拡大させて、大きな進化に取り組み始めた。給与計算だけを管理するのではなく、一元化された従業員名簿から、勤怠管理、給与計算、労務手続、社内承認フローなどを一括で管理していこうということを目指すのが「人事労務 freee」だ。小規模の会社から、従業員1,000名規模の会社まで含めて、人事管理負担を大きく減らす実績をどんどんつくることができている。

第2回HRテクノロジー大賞受賞

人事労務freeeは、第2回HRテクノロジー大賞を受賞した

このように、急成長企業を支えるソリューションとして、freeeは大きく進化した1年となった。その結果、上場準備企業や急成長企業の定番選択肢となってきたことは大きな達成であった。

本格的に個が活躍する時代、freee はスモールビジネス経営の電子化を枠を超えて牽引

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スモールビジネスにおけるバックオフィスの自動化をコアとする freee であるが、自動化の前提となる電子化の部分で、ボトルネックとなる部分として残っているものももちろん存在する。

スモールビジネスにおけるクレジットカード利用は、このボトルネックの中で非常に重要なものである。ビジネスにおいて、支払をクレジットカードに寄せていくことは、支払時の利便性だけでなく、経理全体のプロセスを効率化したり、正確性を担保する上で大きなメリットがある。さらに、freeeのような会計ソフトを利用すれば、会計帳簿への記録なども含めて自動化することができるのだ。

しかしながら、これまで残念ながらスモールビジネスにおけるクレジットカードの利用率は必ずしも高くなかった。その大きな理由は、「審査におちる」「審査におちるのではないか不安」「3年分も決算書がない」といった理由である。実は、僕自身も創業当初にクレジットカードの審査に落ちた経験があるのだが、起業するとクレジットカードつくれない説は都市伝説のように存在する。また、法人の信用でクレジットカードをつくるには通常3年分の決算書が必要だ。

そこで今年は、創業直後の方に対してもフレンドリーにつくることができるクレジットカード「freee カード」をライフカード社との提携によりスタートさせ、カード利用が進まない問題の根本から解決に取り組むことに乗り出した。

また、個人事業主の確定申告のプロセス自体にもボトルネックは存在するが、今年はマイナンバーカードや住基カードにより、 freee から直接電子申告ができる機能を提供開始し、非常に好評を得た。今年度分の確定申告においては、WindowsからもMacからでも電子申告がfreeeからできるよう機能拡充されていく。

シェアリングエコノミー、民泊、副業、働き方改革など、個人が雇用されている会社に100%依存するのではなく、自分の事業も持つ新しい生き方が注目された一年であった。こういった、「個」が自立して生きやすい新しい時代を支えるプラットフォームとして、freeeは徹底的にスモールビジネス支援を続けていく。

freee で振込も融資も自動化へ

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今年大きな話題を呼んだのは、銀行法の改正により銀行による参照系・更新系のAPIの開放が実質義務化されたことである。日本における新しい FinTech サービスの創出もこれを契機に活性化していくだろう。また、この法の施行に先立ち、freee では、三菱東京UFJ銀行、住信SBIネット銀行、ジャパンネット銀行などとのAPI連携により、freeeに登録されている未払金を自動で振り込むことができる振込連携を実現した。

このように、外部システムから振込指示をかけるような仕組みは、大規模な投資によりファームバンキングシステムを導入しなければ従来は不可能であった仕組みだが、この freee の振込機能の提供により、自動振込がどんな規模のビジネスであっても可能になる。まさにこのAPI開放により、テクノロジーの民主化が実現された好例だ。

融資の分野でも大きなイノベーションが起きた。今年、freee は、金融機関のモニタリングを自動化する「リアルタイム経営シグナル」を提供開始した。これは、銀行が融資先企業の試算表を紙ベースで毎月回収し財務状況をモニタリングするという手間が発生していたところに、融資先企業がfreeeを利用している場合には試算表回収しなくとも自動で財務情報が金融機関とリアルタイムに連携され、しかも、財務状況に変化が生じたときのみ自動でアラートを飛ばすことで、モニタリング業務自体を自動化するという仕組みである。これにより、融資のモニタリングのコストが低下すると、融資サービス自体のクオリティもあがる。例えば、北國銀行では無担保・無保証の創業融資の場合には、freeeの利用が条件となっており、freee を利用していれば、創業融資を受けるハードルが大きく下がっているのだ。

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引き続き組織も成長

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freeeの組織も引き続き成長を続け、今では400人を超えるような体制となった。そんな中でも、相変わらず全社合宿では、価値基準について全員で議論し、急成長の中でもムーブメント型組織である自分たちの本質を忘れず、カルチャーを支えることができた一年であったと思う。働きがいのある会社ランキングにおいても、今年は3位を受賞させていただいた。

僕自身にも小さい子供ができ、また小さな子供がいる同年代の社員も多いことから、自然発生的にファミリーデー的イベントも立ち上がったり、子育て支援的な施策も「ツバメっ子クラブ」としてまとまった一年であった。

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freeeオフィスでファミリーデー

2018年とその先

先日、freee Developers blog に、今重要だと思っていることを書いたが、今一度しっかりと freee の提供価値とその価値の発揮にこだわることが非常に重要だと考えている。「マジ価値」精神は freee の価値基準のエッセンスであるが、来年は初心に戻って、自分たちが本当に「マジ価値」かどうか徹底的に向き合い、マジ価値を発揮する一年としたい。

具体的には、これまでバックオフィス業務の自動化にこだわってきた freee の価値を、「業務の自動化」だけではなく、「経営の可視化」にもスコープを広げ、「自動化」「可視化」の両方の観点から、freee の提供価値の最大化に全社でこだわって取り組んでいこうと考えている。

2018年3月には製品としての freee は5周年を迎える。クラウド会計ソフト freee が世に誕生してから5周年だ。その間、会計ソフトのクラウド化は急速に進み、若い会社で言えば当たり前という時代になった。しかし、まだ世の中全体でみた場合にはマジョリティではない。マジョリティになっていくの時間の問題ではあるが、急速に進めるには、クラウドであるかどうかは関係なく、「自動化」「可視化」という価値の発揮がどれだけできているかにかかっていると思う。その上でこそ、その上にのる各種金融サービスはさらに活きてくる。

究極的には、どんな人にとっても会計ソフトや人事労務ソフトは「見るだけ」の存在になるだろう。「見るだけ」の存在になることで100%攻めのツールになることができる。

2018年も何卒、freeeをよろしくお願い申し上げます。

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