海をテーマに組織のすべてを疑う

前回紹介した通り、「スモールビジネスを、世界の主役に。」という新しいミッションを立て、「アイデアやパッションやスキルがあれば、誰でも簡単にビジネスを強くスマートに育てることができるプラットフォームをつくる」というサービスコンセプトを掲げた。

経理や人事労務業務を自動化する会計freeeや人事労務freeeは、高く評価されるプロダクトに成長してきているが、会計ソフトだけ見てみると、中小企業における会計ソフトのクラウド化率は未だに15-20%ほどである。

freeeが業務アプリケーションの枠を超え、上記のようなプラットフォームとなっていくには、もちろんプラットフォーム上でのサービス開発も重要だが、まだクラウド化ができていない残りのビジネスにどのようにクラウドの、そしてfreeeの価値を届けるかが非常に重要な前提となってくる。

こう考えたときに、ふと大航海時代の航路開拓が進む前に(西洋で)知られていた海もそれくらいの割合であったのではないかと思い、簿記という概念も大航海時代の前提としてルカ・パチョーリによって1494年に発明されたというような事実にも敬意を評して、freeeがスモールビジネスの業務アプリケーションのクラウド化を進める冒険のモチーフを大航海時代に例えようと思い立った。

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イタリアの数学者ルカ・パチョーリは「簿記会計の父」と呼ばれている

ということで、7月はfreeeにとって新年度であるし、ミッションやサービスコンセプトも改めたいいタイミングであるから、毎年実施している社員合宿(今回は「freee spirit 2019」と命名)にて、このモチーフも含めて発表した。

 

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大航海時代になぞらえた衣装で登壇

freeeは、ミッションおよびコンセプト実現のために、エンドユーザーである中小企業や個人事業主の方々に直接販売およびマーケティング活動を行う側面と、パートナーである会計事務所の方々向けに業務効率化とサービス付加価値向上のためのソリューションを提供するという側面を持っているが、いずれも目指すゴールは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションであって、それはあたかも大航海時代に香料諸島を東からも西からも目指したことにもたとえられるなと思った。

そこで、社内的にはパートナーカンパニー、エンドユーザーカンパニーという2つのカンパニー制を今年度からとろうと思っていた。ところが、社内呼称をあらため「パートナー航路」「エンドユーザー航路」と呼ぶことにした。

さらに、このスモールビジネスのクラウド化大航海時代の航路開拓のリーダーのモチーフにふさわしい概念はないかということを考えてみたところ、ヴァスコ・ダ・ガマ、コロンブス、クックなど偉人は多いのであるが、やはり世界周航というのは非常に大きな偉業だし、僕たちのフェーズにあった偉業でもあると考え、マゼランを航路開拓のリーダーのモチーフにしたいと思った。

しかし、縁起の悪いことにマゼランの船団は世界周航を果たしたが、マゼラン本人はフィリピンのセブ島にてラプラプ王に殺されてしまうという歴史がある。リーダーが死んでしまうのは演技が悪いが、マゼランに敬意は評したいということを考え、マゼランを超えるマゼランという意味を込めて、各航路のリーダー(カンパニーCEO)を概念としてスーパー・マゼランと呼ぶことにした。

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スーパーマゼラン達によるパネルディスカッション

会議体や組織の名前も、この大航海時代モチーフとしてみた。経営会議は大航海会議、週次の重要事項アップデートのためのミーティングを船団連絡会、経営管理ミーティングは港湾委員会などといった具合だ。

DSブログ

組織名称も大航海時代をモチーフに変更

元々freeeでは、上司という概念がなく、役割としてのピープルマネージャーを「ジャーマネ」と呼んでいる。主役はひとりひとりのメンバーであり、主役が最大限パフォームする役割であることを明確化している。

社内の組織呼称も、こんなモチーフでいったんゼロベースで考えてみると、例えば「本部長」や「部長」といった呼称でイメージが凝り固まってしまったり、中途入社の人が前職のイメージを引きずってしまうことをリセットする意味があり、既成概念を打ち破る組織づくりとしても面白い試みだと思っている。

もちろん、様々な社内呼称を一気に変えているので、それは一瞬カオスにはなる。しかし、そんなことも楽しみつつ、自由に考えいろんな概念もつくりつつ、世の中に価値を届ける会社でありたい。一見ふざけても見えてしまうかもしれないのだが、大真面目に考えている。

例えば freeeは、不具合のことも、「バグ」ではなく、「ハッピー」と呼んだり、価値基準の言葉も独自の言葉を使うことで、独自のカルチャーをつくることに強くこだわってきた。

同じように、新テーマで、心機一転、日本のメインストリームのスモールビジネスの皆様にクラウドの価値、自動化の価値、プラットフォームの価値を届けていくべく邁進していきます。

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