freee リリース1周年を終えて(ちょっと遅いけど。。。)

先月の2014年3月19日に全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」はリリース1周年を迎えた。1周年にあたっては、リクルートライフスタイル社が提供する「 AirREGI (エアレジ) 」との連携を発表し、freeeが目指すバックオフィスの自動化に向けてまたさらなる大きな一歩を踏み出すことができた。1年目の振り返りを書き留めておこうと思いつつ、1ヶ月が軽く過ぎてしまったので、「まだ先月の話」といえるうちに公開してみようと思う。

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[リリース1周年飲み会にて]

 

2013年3月19日、freee公開

freeeのように簡単かつ自動でつかえるクラウド型の会計ソフトに対するニーズが必ずあることは僕は確信していたが、実はリリース前にコンセプトレベルで調査やヒアリングをしたときに必ずしもfreeeの評価は高いといえなかった。そんなこともあり、半信半疑でお祈りするような気持ちで、2013年3月19日freeeをリリースするにいたった。蓋を開けてみると想像していたよりも圧倒的に高い評価と実績を最初の数日でつくることができた。まずは細々とでもよいから着実なスタートを、と考えていたところが、想定以上のアクセスでパフォーマンスが低下するなど社内はいきなり大騒ぎ(といっても当時は数名のメンバーしかいなかったのだが、、、)。

開発に着手し、外にも出ず開発のためにマンションの居間に籠もりはじめてから9ヶ月、苦しいときも多かったが、このリリース日に多数のユーザーの方々から応援のメッセージをいただいて、着実な手応えを感じ、このfreeeを徹底的に価値のあるものに育てていこうと、あらためて気が引き締まる、2013年3月19日はそんな日だった。

 

ソーシャルメディアとフィードバック

リリース直後で印象的だったことはやはりソーシャルメディアのインパクトであった。freeeの評判は、Twitter、 facebook、ブログの記事などでまたたく間に広まっていった。以前、大企業で主には既存プロダクトのマーケティングをしていた自分には、この感覚はまったく新しい経験であった。freeeの広まり方がビビッドにソーシャルメディア上で見て取れた。例えが悪いが、昔全身麻酔で手術を受けた際に、点滴から麻酔が入ってきて、それが全身にビリビリっと伝播していくのを感じたのを克明に覚えているのだが、そんな感じだった。

そしてソーシャルメディア上で多数のフィードバックをいただいた。簡単になおせるものや、リリース前には想定していなかったニーズなども多く、すぐになおして連絡するようにした。まさに、freeeはソーシャルメディアによって拡まり、ソーシャルメディアに育てられた。

 

そしてLaunchPad

5月、Infinity Ventures Summit の LaunchPad に参戦する。以前、僕がCFO兼プロダクトマネージャーとして参画していたALBERTの会長の山川さんから、「是非、挑戦してみた方がよい」というアドバイスをいただき、応募をする。スタートアップのデモ大会には何度か出場したことがあるのだが、freee のプロダクトの特性上、共感を得られる方が特定のセグメントに限られるということもあり、こういったものには若干苦手意識があった。しかし、予選での議論が非常によい刺激となったこと、そして、得られる順位や評価がなんであれ、「自分はなぜこれをやっているのか」が伝わるプレゼンをしようと開き直ることにしたことで、少し気がラクになって進めることができた。

そして当日。朝の集合も早く、規模も大きく、オペレーションがしっかりしているIVSだけに、「こりゃ失敗できないな」と思うところに、会場は早々に満員になり、さらに緊張が高まる。

ここで、偶然、登壇者の控え席のとなりに座っていたのが、大学と博報堂の両方の大先輩であるユナイテッドの手嶋さんであり、話に花が咲いて緊張をほぐすこともできた。それ以外のことはあっという間に過ぎていって、結局自分が意図どおり進められたかどうかも記憶にないのではあるが、よい出会いに恵まれてか晴れて優勝することができた。

地味な領域のプロダクトではあるが、この場で優勝できたことは大きな励みになったし、さらに freee の知名度もアップした。また、東京でオフィスから応援してくれていたチームの優勝の瞬間のビデオも後から見て心あたたまるものだった。

 

 

freee 有料プランの開始

8月、標準プラン(有料プラン)を開始する。無料アカウントを登録いただける事業所の数は順調に伸びていったのだが、それでビジネス化に値する価値を利用いただく方々に提供できているかどうかはわからない。そんな意味でfreeeの課金開始というのは、大きく緊張する瞬間であった。

それまで、「大切なデータをお預けするのだから、早く有料にしていただいた方が安心」という声をいただいていたこともあり、もしかすると標準プランを開始することによるポジティブな効果もあるのではないかというかすかな期待があったのだが、実際のところ標準プラン開始以降、本格的に使っていただけ始めたということが問い合わせの内容などさまざまなところで見え始める。

freeeのようなクラウドサービスではユーザーの方々のデータをお預かりするというところが大きな特徴となるが、その場合、ビジネスとしての継続性が見えやすいことは、利用いただく方にとっても重要なポイントであることを再認識する。

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[有料プラン開通時の記念写真]

 

東後が参画

2013年8月、東後がfreeeに参画し、取締役COOに就任した。東後はマッキンゼーを経てGoogleに入社。 Google 時代には、一緒に日本における中小企業マーケティングのフレームワークをつくっていった同志であり、「みんビズ」など、スモールビジネス関連のマーケティングにおいて革新的なプロジェクトを仕掛ける立役者であった。ずっと開発のことばかり考えていて、そろそろマーケティングやビジネスのことも考えていこうという局面で、リハビリもかねて、その後のビジネスプランなどについて東後に相談をするようになったのだが、「こうあって欲しい」という想いドリブンでできた僕の計画値を見て、「なるほど、アグレッシブですね。でも、まあ、頑張ればできそうだ。」と彼がコメントをしてくれたのはとても印象的で勇気づけられた。

実際にfreeeの成長を成し遂げるには、利用いただいている方々のご支援と、チーム一丸となっての成果につきるのだが、freeeのチームをまとめ、マーケティング、提携、カスタマーサポートを目標に向かって推進した東後がfreeeに参画してくれたことは、大きくポジティブな想定外のひとつだった。

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[freee で COO をつとめる東後]

 

モバイル・アプリのリリース

freeeはリリースから実に多くの機能改善、機能追加を繰り返している。1年目の成果としては、対応金融機関の拡充や、消費税、確定申告やe-tax関連の機能追加などが非常に大きいが、中でも特に印象的であったのはモバイル・アプリのリリースであった。

「経理・会計を、だれでもどこでもできることにする」ことはfreeeの目標のひとつであるとともに、ユーザーの方々からの要望が多いという点でも、このモバイルアプリの開発に着手することは重要であった。一方、それ以上に、このモバイル・アプリの開発にあたっては、スタートアップらしさ満点の一見不可能そうな短期開発スケジュールを敷いたのだが、そんな中でもさまざまな工夫を凝らしながら、目標としていた開発終了日の11時57分、見事にAppleへのアプリ審査申請をすることができた。プロダクトとして素早く進化し、より皆様のお役に立てるようになっていくことは freee が提供する大きな価値であり、その上でも象徴的な出来事であった。

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[iOSアプリ審査提出直後の祝杯]

 

急成長とカスタマーサポートの挑戦

消費税の増税、Windows XPのサポート切れなどにより、需要が高まる中、確定申告シーズンに突入。増加するであろう問い合わせなどにも対応するできるようサポート体制の強化はある程度余裕をもって予定に入れていたつもりであったが、それにしてもfreeeは想定以上に早く多くの方々に利用されるようになっていった。

そのため正直なところ、サポートのリソースが追いつかない状況もあったが、だんだん増員とトレーニング、そしてプロセス改善も進み、サポートのレベルをあげていくことができた。また、チャットサポートのように革新的なサポートにも取り組み、高い満足度を実現することもできた。チャットによるサポートの提供には個人的にとても思い入れがある。僕はとてもものぐさな人間で、カスタマーサポートのコールセンターに連絡して、本人確認で時間をとられたり、しらべますのでお待ちくださいと言われたまま、電話を耳にあてて待っているのがとても嫌いだったりする。もう少し良いやり方はないものかと思う中で、チャットはひとつの答えであるような気がしていて、大きな可能性を感じているのだ。

最終的に、通常はカスタマーサポートではないメンバーも全面的にサポートに加わり、日々増加する需要にも対応できた。やがて僕自身もサポート対応を行っていたが、ここからは学ぶことも多かった。リリースから6月までの3ヶ月ほどの時期も僕自身がサポート対応をしていたが、久しぶりであったのといただく質問が高度化しているため回答も簡単ではなかったが、直接ニーズを把握することで、さまざまな改善案も見えた。

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[freee カスタマーサポートコアチーム]

 

最後に

というかたちで、とても多くの方々に支えられつつ、freeeは2年目を迎えた。いつの間にやらfreeeのスタッフは30人を超える。事業計画上は見積もっている数字でも、実際にその風景は迫力が違うし、数字以上に想像できていないことのインパクトを感じる。こんなに素晴らしいチームができていることは、リリース時の2013年3月19日には想像していなかったし、そして同じような感想を来年2015年3月19日に再びもてるよう、頑張りたい。

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[リリース1周年記念飲み会の集合写真]
みなさま、全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」の次の一年もよろしくお願いもうしあげますm(_ _)m。

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